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遠い人
あなたと
呼べる人がいない
毎日に磨耗しても
触れあう瞬間の
瑞々しさを
どうか忘れないで
心は簡単に
死を装う
そのくせ
甦るのは大変で
命を呼ぶ
声の強さを
省みてほしいの
雑踏を這う
隙間の声
ナニモノカモワカラナイ
語る「私」/語られる「世界」
何を見ても同じ。
三人称で生きてる。
そういう、虚構。
ねえ
わたしたちの現実は
いつから
区切られているの
味気ない顔をしないで
表情は誰のもの?
感情は誰のもの?
心を閉ざす先に
存在の輪郭はあるの
不確かに滲むそれを
合わせて知る
実感
流すのでも流されるのでもなく
鮮やかな命の飛沫を
感じあって
今へ。