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青い熱
潮の匂いが
まばらに寄せる
入り込んだ砂粒を
掻き出して
漂う苦笑
交わる視線
波打つ明るさを
君も僕も
持っていて
一拍
二拍
緩く流れる時間を
共有できる人は
案外少ない
切り替わる近さ
巡る心
潮の匂いが
強く迫る
約束の儚さを
君も僕も
知っていて
言葉の先を
失った
この手に
何を
留めるのか
今日が永遠に続けばいいのに
苦し紛れの指先を
さまよわせたまま
結ばれない視線
振り切って
首を傾げた
肩を竦めた君は
大人なんだね
曖昧なものは
曖昧なままに
クリアさは
置いていこう
この
夏の岸辺に
涙は出ないから