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詩であること
私が何故
詩を書いて読むのかと言えば
言葉の甦りを期待しているからだ
あるいは
死した感性の復活と呼んでもいい
馴染み過ぎて気配のなくなった
言葉という言葉を
文のありようを
新しく組み立て
もしくは破壊し
魂を込めなおす
この発火を渇望している
経験を詩に問うな
それは不実だ
解を詩に求めるな
それは不定だ
感性の一致と不一致は等価であり
感覚の惹起そのものに意味がある
知覚の瞬間を片付けてはならない
ありのままで歌え
※
私達は聞くのではない
歌っているのだ
それぞれに