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詩*祈りのようなもの*

そうして私たちは

作者: a i o

そうして

私たちは風になった


梢を揺らす

青い月の合間を吹き渡る風

胸の内側をすり抜け

温もりを掠め取り

涙する風


分かり合えないから


如何様にして生きてみても


私たちは

混ざり合わないから

慈しむ気持ちばかりを

交えてかなしくなる

風になった


広く愛せよ


混ざり合えないものたちと

交じり合う糸を

断ち切らぬよう


誰にも等しく

吹きつけ

誰も愛さぬが如く愛せよ

己を愛するように


方々に伸びる枝葉の

その中心にそびえる幹が

じっと在る

そこに打ちつけるように吹け

揺らがぬものを

確かめるが如く


広く受けいれよ

なさぬもの

なせぬもの

私たちは不揃いな風

互いの姿を形どるものもない風

互いさまだと

ゆるせ

ゆるせよ

留まることのない生に

流れ行く風


誰かの胸の奥を浚っても

分からぬことばかりだと

嘆くその前に

誰もひとの胸の奥など

知り得ることなど出来ぬことを知れ


重なるように吹け

突き合いながら

交じってゆけ


誰を避けるでもなく

その頬に触れよ


そうして


私たちは

風になった


誰を避けるでもない

風になった






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