1冊の本
初めまして、花粉の桃姫です( 'ω')
誤字脱字や、意味不明な文章などが多いと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。
新しい本が読みたくなった。そう思い、後藤美音は数年前に亡くなった祖父の書斎に入る。壁に立て掛けてあった脚立を使い、天井近くまである本棚から本を探す。すると、1冊の本が落ち、開いた。
「あっ…」
ハァ、と溜め息をつき、脚立から降りて本を手に取ろうとすると、突然、本が黄色く光り、宙に浮いた。呆然として見つめていると、光を囲み、どこかの国の文字らしきものがグルグルと回っている。
「な、なに、これ……」
腰が抜け、扉へ這い蹲って進むと、本が目の前に移動し、回った文字が止まり、ヒビが入り、ピキピキと音を立てていく。危ない、そう思って頭を守ろうとするが、身体が動かない。まるで、動くことを封じられたかのように。
「ど、しよ…だ、誰か」
カタカタと震えていると、光は音もなく破れ、硝子のように飛び散った。部屋中に煙が充満し、奥からヒールの音がし、コチラに向かっているのがわかる。
「久しいのう、人間界に降り立つのは」
段々と煙が晴れ、脚が見えてくる。左脚は見えているが、右脚が黒い布で隠れて見えない。次第に胴体が見えてくる。
「誰じゃ、欲望の果てを望む者は」
金髪で深紅の瞳、長すぎないウェーブがかかった髪、釣り上がった目。程良い大きさの胸。
「我が名はメリッサ。欲望を満たし、同時に悪魔を排除する者。貴様の願いは何だ」