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最終話

「こんな事してアタシが喜ぶと思った?」


澪は、ギョッとした


藍の大きな瞳には、大粒の涙が浮かんでいる


小学生だったあの頃俺は、藍にもぅ泣かせたくない・・・

藍を守りたい、と思い藍を守ってきたつもりだった


しかし、今藍が泣いているのは間違えなく俺自信のせいだ・・・


「澪には、ちゃんと学校行って、高校にも行って欲しい・・・・」


藍に此処まで心配を掛けさせていた自分が物凄く情けなく思えた


「藍・・・ごめんな・・・俺ちゃんと学校行くから・・・もぅ泣かないで・・・」


優しく藍を撫で澪は、藍に背を向け歩いていった




*********


「奥谷は、また学校をサボったのか?!!」


その頃学校では、職員室で大騒ぎになっていた


「生徒の情報によりますと、1時間目から保健室に行くと言ったきり・・・・」


教師全員が、またかとでも言うように呆れた顔をする


「校長、教育委員会にこの事がバレたら、我高の信頼はガタ落ちです」


同級生の親からも何度も抗議の声が挙がってきて教師たちも頭を悩ましてていた


そんな中



ガラッ・・・・―!!!



そこには、教師達の悩みの種


澪が立っていた


「奥谷ッ!!!貴様何処に行ってたんだ!!!」


学年生徒指導部の山岸が大声を張り上げる


「すいませんでした。」


教師全員がぎょっとしながら澪の方を見る


あの、学校創立以来の問題児奥谷澪が頭を下げ謝罪をしている


びっくりして、コーヒーを噴出す教師もいた


「・・・・―ッ・・わ・・・分かったから・・・・授業に戻れ」


焦りながら澪に頭を上げさす教師達


それから澪は職員室を後にし、3階にある教室に向かって歩いた


4時間目は、ちょうど社会で、渡邊が黒板に顔に似合わず綺麗な字を書いている時だった


ガラッ・・―


堂々と前のドアから教室に入っていく澪に生徒全員が唖然とする


沙織は、朝自分がした事を思い出し澪から顔を背けた


社会の渡邊もその光景を見て、ビックリしたがまた、あの優しい笑顔で澪を受け入れた


「奥谷ー早く自分の席着けー」


そう言うと渡邊はまた黒板に向かい字を書き始める


窓に目をやると、桜が咲いていた、いつも保健室から見る桜とは、また違う風景で


とっても、とっても綺麗だった・・・・


学校には、来たものの便勉強道具なんて物を持って来ていない澪は、外の桜に見とれていた


そんな時、澪の制服のポケットから振動がくる


ポケットから携帯を出し渡邊にバレないよう慎重に携帯を開く


藍からのメールだった



澪、ちゃんと授業受けなさいよ!!!



澪の行動を見透かしたようにきた藍からのメールに澪は、プッと笑った


しかたないので澪は、隣の席の人からノートとシャーペンを借りた


桜が綺麗に咲き誇り全ての物がキラキラと綺麗に見える春


春が来て夏が来て秋が来て冬が来て、そしてまた、春が来る


今は、まだガキで藍に迷惑を掛けてしまう俺


けど、いつか絶対彼女を俺の手で俺だけの女にしてやる



だから、今からでも覚悟しとけ?



澪は、そう打ったメールを未送信ボックスに保存した


携帯をしまうと澪は黒板の字をせっせと写し始めた



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