レン
澪は、学校を後にして駅へと向かう
行き先も何のにいつもぶらりと何処かへ出かける澪
誰も居ない静かな場所を澪は、いつも捜し求めていた
大抵澪が買い物などに出かけると覚えの無い女が馴れ馴れしく澪に付きまとったり
知らない奴に写真を勝手に撮られたりなど面倒臭い事が沢山待ち構えている
適当に電車に乗り適当にバスに乗って着いた所は、町外れにある海だった
もぅ夕日が沈みかけていて辺りは、オレンジ色に染まっていた
そんな時海を一人で眺めている澪に向かって
話しかけてきた、いかにも不良という言葉が似合いそうな男がレンだった
レンの親は、結構名の知れたヤクザでレンが後を継ぐことになっていた
しかし、レンは後を継ぐ気などまったく無く遊び呆けていた
俺に適う奴なんて居ない・・・・
自分の腕に相当自信のあったレンは、ある時澪の噂を聞いた
『無敵の澪』
などとゆう誰かがつけたダサいキャッチフレーズの澪とゆう男を見てみたいと思っていた
写真を見ると喧嘩などというような言葉が最も不似合いそうな整った顔の男だった
澪の噂は、喧嘩だけでは無く女遊びの澪でも有名だった
澪と1回寝た女は、澪が与える快感の虜になる
そんな澪と1度でいいから拳を交えたい
そしてその日レンは、草を買いに行こうとコンビニへ向かった
レンの目に海を見つめている小柄な男が目に入ったまさしく澪だった
レンは、歩きづらい砂浜の上をおもいっきり走った
そして、レンは澪の肩に手を掛け
「お前奥谷 澪?」
といかにも不良っぽいドスの聞いた声で尋ねた
「そうだけど?」
無表情の奥に不気味な笑みを浮かべ見下すようにレンを見る澪
「何だよ、その目は」
この台詞を言えば大抵の奴等がレンの前から走り去っていくが澪は、違った
にこやかに微笑むかと思うと次の瞬間
ゴスッ!!!
鈍い音がレンの耳に聞えた
そして、鋭い痛みが下腹部に走った
「ぅぅっ・・・」
この瞬間生まれて初めてレンは負けを知った
レンの下腹部に一撃を食らわせたのは澪の利き手右手では無く左手だった
手加減された・・・・?
どんな人よりもプライドの高いレンはものすごい屈辱感をうけた
「あんたが・・・・レン?」
自分の名前を呼ばれ少し驚くレン
「俺の事知ってんだ」
下腹部が痛くてレンは、うずくまるような格好で澪を見上げた
「アンタ有名なヤクザの後継者なんだろ?」
プライドの高いレンをきずかってなのか澪は、そこみ座り込みレンと同じ高さの目線にした
「ははは、そんな有名なヤクザの後継者が自分の前で蹲ってるんだからさぞ面白いだろぅな」
睨み付けるように澪をじっと見つめるが澪は
「アンタちゃんと親父さんの後継いで立派なヤクザになれよ
そん時は、本気で相手してやるよ」
そう澪は悪戯っぽく子供のような笑みをレンに向けるとレンに背を向け歩き始めた