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兄弟

「あのッ・・・・//

澪君って・・・・

彼女いないんだよね―ッ・・・・??」


また、あの質問だ


確か昨日も同じ質問をされた記憶がある


澪は、気づかれないよう小さく溜息を漏らし


いつもの、作り笑いを浮かべ女子生徒に向かって微笑む


その笑顔を見た瞬間目の前の女子生徒は


パァッと明るい笑顔を澪に向けた


どうやら、澪の笑顔から勝手に彼女はいないと解釈したらしい


事実いないんだけれども・・・・


外から校門近くに咲いている桜が見える


保健室は、澪が知っている中で一番綺麗に桜が見える場所だ


外ばかりを見ている澪に女子生徒は面白くないとゆう顔をして澪の注意を引こうとする


「桜好きなの?」


普段女子には、優しい澪だけれども桜を前にしては別だ


目の前で頑張って自分に話しかけている女子生徒などお構い無しに桜に見とれている


無視を続けて数分澪は、我に返りまた女子生徒の方に目を向ける


「え・・・とごめんなんだっけ・・・?」


澪は、面倒くさい事が一番嫌いだっただから今まで女子の告白も丁寧に断ってきた


変なフリ方をして後から、女子に騒がれるのがとても面倒くさかったからだ


今日は、どんな断り方をしようと考えたときだった


「澪君好きな人って藍サン・・・・??」


思わぬ言葉にビックリして大きく目を見開いて女子生徒を見る澪


何故秘密がばれたのだろう??誰にも言ってない筈なのに・・・


「やっぱり・・・本当なんだ・・・

今日ね、実は見ちゃったの澪君が藍サンを撫でた方の手にキスしているの」


澪を見上げる女子生徒の目は、少し涙によって潤んでいた


「ちっちがッ・・・!!!」


今まで何事にもクールな澪が必死で弁解する姿を見て女子生徒は、本当なんだと直感した


「私じゃ駄目ですか・・・・??」


真剣な表情を向ける一人の女子に澪は、戸惑った


ここで断ればこの女子生徒は、俺が藍の事を好きな事をバラしかねない


そんな事が藍の耳に入れば藍は何て言うだろう・・・・??


俺たちは、絶対結ばれてはいけない


いや、結ばれることが絶対有り得ないのだ


「兄弟なんですよ?」


俺の一番嫌いな言葉が目の前の女子生徒の口から漏れる


兄弟・・・・――


その言葉に俺は、何年も苦しめられてきた


何故兄弟は、結ばれてはならないのか?


どんな男より藍を幸せにする自信が澪にはあった


そう、俺と藍は血の繋がった兄弟


「・・・・―。」


澪は目の前の女子生から目を逸らして必死に悲しみを堪えた


「アタシなら、澪君をそんな顔にさせないよ・・・・??」


澪の弱味を握ったからか女子生徒は普段とは雰囲気は、全く違った


澪の学ランのボタンに手を掛ける沙織


一瞬澪は、目を見開き驚いたが、拒む気力も無く沙織に自分の身を任せた


「藍サンとは、もぅこぅゆう事したの・・・・?」


澪の体を澪のお気に入りの窓側のベッドに押し倒し、悲しい目で見つめる沙織


無表情で首を横に振る澪


絶対藍にそんな事が出来るはずがない、澪にとって藍は、純粋で綺麗なモノだった


そんな純粋で綺麗な藍を澪は自分の手で汚してしまいそうでいつも臆病になっていた澪


藍を抱きたいと思えば思うほど歯止めが利かなくなって


その度に、そこらの名前もしらない女と藍を重ねては、体を重ねてきた


女を藍と重ねて抱いた後の自己嫌悪と罪悪感からいつしか澪は、自分は汚れているという感情が心の奥に植えつけられた



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