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保健室

ガラッ・・・―


俺はダルそうに教室に入っていく


それぞれみんな話をしたり立ち歩いてふざけたり

いつも変わらない光景だった


俺はそんな今の和やかな雰囲気が好きだった


そんな中


「澪クン来たわよッ///」


女子生徒のグループがこちらを見ているのが分かる


最近やたら俺に話しかけてくる女子グループだ


好きなタイプやら

彼女いるのかやら


俺が何かを答える度にキャーだとかカッコいい!だとか


俺が苦手なタイプの女子達


「おはよ〜澪ッ♪」


そんな時俺の視界に入ってくるやたら身長のデカイ男


彼の名は


斉藤 直樹


野球部のエースで女子にもそれなりにモテている


「お〜直樹朝からデカいな」


なんておどけてみせるがコイツが俺の一番の親友だ


「そーだぁ澪?

なんか女子達が澪に放課後話があるってー」


ニヤニヤとしながら俺の方を見てくる直樹


大体話の内容は、聞かなくても分かる


俺は、別にナルシストって訳では、ないが


まぁまぁ異性にはモテている方だと思う


多分今まで合わせるとクラスの大半には告白をされた事があると思う


だが、俺は付き合っうだとか別れただとか問題になるのが嫌で告白はほとんど断っている


「澪もいい加減彼女の1人や2人ぐらいつくれよ〜」


直樹は1年前から付き合っている彼女とは今でも順調らしい


少しそんな直樹を羨ましいと思う気持ちもあるが


俺は藍が好きだから女の子たちの気持ちは受け取れない


たとえその恋が叶わない恋だと知っていても・・・・・・―


俺は、直樹に苦笑いを向けて席を立つ


「おっおい!!

澪何処行くんだよ?もー先生来ちゃうぞ?」


俺は、一瞬立ち止まって直樹に向かいピースをしながら



「保健室」


とだけ、吐いて教室を出て行った


俺は、寂しい気持ちになったりイライラした時保健室に逃げ込む習性があるらしい


自慢じゃないけど、この学校内で一番保健室への来客数が多いのは間違えなく大差で俺だと思う


保健室の前の階段は、創立76年の古い校舎のカビ臭い匂いと


最近塗りなおしたらしいペンキの匂いが混じって嫌な匂いがする


その匂いを俺は、大体毎日嗅いでいる


建てつけの悪いドアを力ずくでこじあけ俺は保健室へ入る


「センセーいねぇじゃん・・・・――」


多分また、職員室でお茶でも飲んでるのだろう


俺は、お気に入りのいつもの一番窓側のベッドへと寝そべった


授業開始のチャイムが聞える


保健室の隣の技術室からなにやら木を切る音が保健室に響き渡る


中学校なんてどうでも良かった


毎日学校に来る理由が無くなったからだ


前までなら、藍が居たから藍の顔が見たい一心で学校に来ていた


けど今は、俺には、何も残っていない


ゆうならば、唯一の些細な楽しみは直樹の惚気(のろけ)を聞く事と放課後の部活ぐらいだ


「藍・・・―ッ」


藍は、今頃何をしているんだろう・・・―??


変な男に捕まったりしていないか


藍を泣かされたりした日には、多分俺は正気ではいられなくなるだろう


正直俺は、自分が怖い・・・・――


今にでも藍をめちゃくちゃにしそうで


日に日に歯止めが利かなくなる


そんな事しては、絶対いけない


だって俺と藍は・・・・・・・―


ガラッ―!!


勢いよく開いたドアに俺は、びっくりしてベッドから飛び起きた


そこに立っていた一人の女子生徒は今朝騒いでいたグループの一人だった


彼女の名前は、確か


川村 沙織


「どうしたの川村サン?」


俺がたずねると彼女は顔を真っ赤にして俯いた


「のっ・・・あのっ///」


もじもじとこちらの様子を伺って見てくる


じれったい・・・・


早く言うなら言ってしまえばいいのに


イライラを抑えながら目の前の女子生徒に作り笑いを向けた



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