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出会いの春・・・―

何もかもが新しくて新鮮な気持ちになる

そして別れの季節でもある春・・・・・―


(みお)――ッ!!」


人目も気にせず俺の名前を大声で呼ぶ彼女


「澪みて〜??

新しい制服似合う??」


そぅ言って俺の前でくるりと1回ってみせる無邪気な彼女


去年まで一緒だった制服も今年から彼女は高校生


それにしても、スカートが短い

少ししゃがむとパンツが見えてしまいそうだ

しかも、今日の彼女は一段と化粧が濃い


俺は、いつも彼女の化粧が気にくわない


目の周りを黒くしたり、ファンデーションを塗ったくったり


彼女は、そんな事しなくても充分すぎるほど可愛い


大きな目に透き通るような白い肌そしていつもシャンプーの香り


「似合う似合う」


俺は、そう言って彼女を電車に無理矢理押す


こんな短いスカート誰にも見せたくなかったから端に彼女を寄せる


俺と彼女は毎日一緒に登校してきた


だが、今日から彼女とは別々の駅で下りなければならない


電車がこのまま止まればいいのに・・・・―


なんて有り得ない事思いながら彼女を見つめる


俺の視線に気が付いた彼女は、不思議そうにしながらもにこっと笑う


俺は、彼女が好きだ・・・


その気持ちに気づいたのは多分小6の夏だったと思う


蒸し暑い夏の日

その日俺は掃除当番でいつもより遅い帰宅時間だった


友達と遊ぶ約束をしていたの俺は帰道を急いだ

そんな時だった、


近くの公園で錆びた音を響かせながらブランコにのっている少女


俺は、最初は誰か分かったがすぐに彼女だと気が付いた


彼女はあの時涙を流していた・・・・


そんな彼女に歩み寄ってやれなかった自分


心から情けないと思った


そして、


あの小さな彼女をこの手で守りたいと思った


彼女の名前は


奥谷 あい


俺と彼女の歳の差は2歳


その2歳は、俺にとっては大きな差を感じさせた


大人な藍


ガキな俺


早く大人になって藍を守れるような男になりたい


この頃からそれだけをずっと願ってきた事だった



「澪駅着いたよ??」


藍の声で現実世界へと引きも出される俺


もうそこは、俺が通う中学校の近くの駅


彼女と過ごせる時間もここで終わり


寂しさを必死に堪え


「ばいばい」


と俺は彼女の頭を撫でる


微かにシャンプーの香りがした


いつもその香りをかぐと彼女を抱きしめたくなる


それを必死に抑えて彼女に背を向ける


彼女の電車が発車するのを見届けて


俺は、彼女の頭を撫でた右手にキスをした


「俺、こんなキャラだっけ?」


苦笑いしながら独りで呟く俺




そして、今日もダルい一日が始まる・・・―




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