大器晩成
何であいつがいるんだ?いや、待て。顔と性格まで同じなだけかもしれない。世の中同じ顔のヤツが三人いるって言うし。名前は?…同じだ。もしかして、あいつも俺が邪神にコキ使われてるみたいに何かあったんだろうか。
「おおー…」
タカシ コンドウ
種族 人間
ジョブ 勇者(一応)
Lv1
HP 10/10
MP 1/1
力 5
防御 5
敏捷 5
魔力 5
魔防 5
運 1
スキル
大器晩成
悪運
装備
武器
なし
防具
頭 なし
体 異世界の服
腕 なし
足 異世界の靴
装飾品 なし
呼び掛けようとしたところで止めてしまった。だって、トラブルの臭いしかしねぇもん。勇者だぜ?能力は最低なのに勇者だぜ?
すまないが、この世界が平和になったら次の世界へ飛ばさせてもらおう。
「あっ!さと…」
「さらばだ!」
逃げようとしたところでランが止める。
「知り合いなのではないですか?」
「ダメだ!今あいつと…」
「やっぱり!佐藤さん、久しぶりっす。」
関わりたくないと言おうとしたところで追い付かれる。ちっ!
まあ、聞きたいことはあるし、いいか…。だが、これは受け入れたんじゃない。諦めたんだ…。こいつは、一度俺に関わると俺に頼りっぱなしになってなかなか離れないからな…。はあ…。
自称勇者に蹴り飛ばされたお婆さんが助けたお礼に家に案内してくれた。一泊家に泊めさせてくれるらしい。
近藤から話を聞いた。どうやら勇者召喚に巻き込まれたようだ。ちなみにあっちの勇者は俺が死んだ後で有名になった殺人鬼らしい。そして、自分が標的になり、まさしく殺されそうなった時に勇者召喚が起こったようだ。自分は殺人鬼の側にいたくなかったから一目散に逃げてしまったのだとか。確かに恐いよな。それにしても、何であいつが選ばれたんだ?ランダムなのか?まあ、考えたって仕方ないか。
「で?お前はどうしたいんだ?」
「…何か一言、王様に言っていればこんな情勢になっていなかった…かもしれない。だから、自分の手であいつを倒したいっす!」
どっちも勇者じゃどっちを信じればいいか迷うだろうが、可能性はあった…のか?こいつの決意は固そうだ。よし!
「じゃあ、レベル上げを手伝ってやる!」
「えっ?レベル?」
そこからかー!!
それから、一時間にわたりこいつに状況を説明した。面倒くさ!
翌日
レベル上げを開始したはいいが、こいつのレベルが一向に上がらない。おかしいだろ?俺達の方が圧倒的に高い。そして、既に5、ランに至っては7も上がっている。早く上がれ!
三時間後
ついに!いよいよ!ようやく!そして!やっと上がった!苦労したぜ!大器晩成のせいだったのかもな。こりゃあ、能力の上昇に期待してもいいんじゃないのか?
タカシ コンドウ
種族 人間
ジョブ 勇者(一応)
Lv2
HP 100010/100010
MP 10001/10001
力 10005
防御 10005
敏捷 10005
魔力 10005
魔防 10005
運 1
スキル
大器晩成
悪運
装備
武器
なし
防具
頭 なし
体 異世界の服
腕 なし
足 異世界の靴
装飾品 なし
バカな…。




