第一話
第一章 朝早い登校
ジリリリリリ…
カチッ
さっきの不思議な映像は夢だったらしい。目覚し時計に起こされて目覚めた。私は山宮小夜乃。14歳の中2。今は朝の6時。ここからご飯食べて制服に着替えて身支度を整えて…7時には学校に着くな。
♪チャーラーラチャララララ チャーララララ…♪
携帯の着信音が流れる。私の親友、美紗季からのメールだ。美紗季は謎な行動をする、ハイテンションなのに低血圧な子だ。
『今日7時に待ち合わせしよう(≧▽≦)v』
『何故?美紗季にしては早いじゃん』
『例の噂を確かめるためだよん♪』
例の噂。それは―
『えっ。あの美術室のガーゴイル像のところで別世界に行けるってヤツ?』
『うん(゜゜)(。。)だから7時に待ち合わせしよう』
『いいけど…確かめていいのかな?』
『んじゃまたあとで(^^)/』
自分の言いたいこといってさっさと切っちゃう美紗季の性格をよく知っているからいいけど…他の人からみたら美紗季はどう思われているのかなぁ…?ま。とりあえず急いで支度するか。
朝食はパンと目玉焼き。あとオレンジジュース。6時を告げるニュースが流れる。
「坂田晃太君、梶原千晴さん、梶原千百合さん、尾崎新君、雨崎誠君が自身の通っていた学校で行方不明になった事件から今日で十年経ちました。当時14歳だった少年少女達はどこにいるのか、警察は情報提供を求めています。次のニュースです。沖縄で…」
何があったのかは分からないが一番印象に残った事件で、不思議だったと警察官の父は言う。
独りきりの朝食を終え、制服に着替え、家を出る。
7時になる。待ち合わせの時間に少し早くついた。早かったかぁ。ハイテンションで好奇心旺盛なはしゃぎっ子の美紗季が遅れて来るわけがないだろう。と思ったら案の定、草むらから「わーっ」と飛び出してきた。朝からハイテンションだなぁ…
「おっはよ〜!」
「お…おはよう…。」
学校に向かって歩く。ここから三分の距離。
「走るぞ〜♪」
「へっ?朝から?」
そんなわたしの問い掛けさえも無視して走って行く美紗季。私も美紗季に負けじと走る。