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11-1 ,11-2

†††11-1


静の部屋から飛び出した俺の目の前には一人の男が立っていた。

「・・・・・・?」

おそらくは同じアパートの住民が自分の部屋に帰ろうとしていたらその途中で俺が部屋から飛び出してきた。

そして思わず俺と目を合わせてしまった・・・・・・そんなところか。


「お前・・・・・・時瀬、か?」

どうやらそれだけじゃなかったようだ。


†††11-2


俺を知っていた男の部屋に入った。

散らかっている、というのが最初の感想。

次に臭いが気になり、最後にテーブルに散らばった紙と鉛筆が目に留まった。


「覚えてないか?クチナシだよ」

クチナシ、と名乗った男が自分を指さしそう言った。ベッドに腰掛けて床に座った俺に問いかける。

「ああ・・・・・・」

俺は曖昧な返事をしながら、記憶をなくす前の俺が書いた手紙のことを思い出していた。確か俺にはクチナシとかいう友人がいるんだったか。

こいつのことなのだろう。

「すまない。俺最近のこと全部忘れちまったんだ」

ちょっと迷ったが俺は記憶喪失のことを打ち明けることにした。

「忘れたって・・・・・・記憶喪失ってことか?」

「そういうことだな」

「・・・・・・なるほどな。今日バイトがあったてのも覚えてないか?」

「バイト?何のことだ?」

「・・・・・・バイトをしてたことも覚えてないのか?」

「記憶にないな」

ふあー、っと息を吐き出すとクチナシはベッドに倒れ込んだ。

「なあ、お前、さっきの家に住んでるのか?」

渡はややヤケになっていたこともあって正直に答えた。

「わからない。今まで住んでたんだろうとは思う。でもあそこに住んでるやつのことも全部忘れちまった」

「それでケンカに・・・・・・?」

クチナシがそっと、触れていい部分を探るように、尋ねる。


渡は無言でうなずいた。


そんな渡を見てクチナシが景気をよくするためか、いささか大きすぎる声で宣言する。

「なるほどな・・・・・・。まあ、なんなら俺のところに好きなだけいていいよ」

「ありがとう。・・・・・・恩に着る」

クチナシの見た目のごつさに反した柔らかな対応を渡は素直に嬉しく思った。


「よろしく、お願いします」

渡はおずおずとクチナシに手を差し出した。

「こちらこそよろしく」

その不安定な手をクチナシはがっちりと握りしめた。


†††

少しだけ書きためができたからあと二、三日は短いのを出します。

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