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おかしな国
「ん………」
美咲が目を開けると、そこは見知らぬ家の天井。
「ここ、は…?」
どこかわからない。
「(教室で自己紹介をしていたはずなのに…)」
ベッドの上で呆然としていると、部屋の扉が開いた。
「ッ…!?」
「あ、目ェ覚めたんだ~♪」
入ってきたのは知らない青年。
チョコレート色の髪にところどころ赤いメッシュが入っていて、その長髪を横でひと束にしている。
「あなたは…?」
混乱した頭で必死に言葉を紡ぐ。
「ん、俺はラムスって言うんだ♪よろしくね~」
フレンドリーだが、若干軽くてチャラそうに見える。
「…えっと、ラムスさん」
「"さん"付けなんて窮屈だな~、呼び捨てでいいよv」
やはり、若干チャラい…
「……ラムスさん、一体ここは…?」
「…え?」
「?? ……ここはどこですか?」
ここはどこか、という質問をするとラムスは化け物でも見るかのような目で、驚いている。
「君っ…一体っ…!?」
声にならない悲鳴をあげながら、入ってきたばかりの扉を出て行ってしまった。
「……どういうこと?」
美咲の頭の中にはいくつものクエスチョンマークが浮かんでいた。