表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色の魔女は、静かな日常を夢見ている  作者: 漆原


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/41

31.凍てつく森

セイが後ろのレオンに説明していた。


「この森は連携してくる魔物も多い。注意しろ。……それと槍は、この森じゃ扱いにくい。木が多すぎるからな」


「わかってるけど……うおっ!」


木陰の上から黒い影が落ちてきた。


何も言わず、そのまま前へ突き出す。


冷気が浮かぶ魔物の息を止め、瞬きの間に凍らせた。


カラン と氷が砕ける音だけが響く。


レオンが息を呑む。


「……お、おおう……」


尊敬でもあり、ちょっと引いてる感じも混ざった、なんとも言えない声。


セイは私を見るけど、何も言わない。

ただ、小声でだけ。


「無茶すんなよ……」


返事をする余裕なんてなかった。

返事をしたら崩れそうなくらい、怒りを押し込めてるのが自分でもわかったから。


森の奥へ進むにつれて、魔物が増えていく。


枝の上から飛びかかるもの。


影に紛れて声を真似るもの。


三歩進めば、何かが襲ってくる。


全部凍らせた。

全部、黙らせた。


息が白くなるほど冷気が溢れているのに、胸の奥はどろどろに熱い。


そして…木々が少し途切れた、わずかな開けた場所に出た時……見えた。


赤い髪の男に腕を掴まれて、淡い金色に輝く髪を持つ少女…ヒヨリが顔を青ざめさせている。


ヒヨリがその瞬間、私と目が合って、震えながらも少しだけ息を吐くように肩を落とした。


ヒカルちゃん、と無言で呼ばれている気がした。


私は杖をまっすぐ、赤髪の男へ向ける。


「……ヒヨリを返して」


声が自分でも驚くほど低い。

空気ごと凍りそうに冷たい声だった。


「んだよ、お前……その声……灰色の魔女サンじゃねぇか」


赤い髪の男と私の間に片手を腰に当て、余裕たっぷりの表情で割り込む金色の髪の男。


ギルドの裏庭や祭りの時に絡んできた奴だ…この間名前を聞いた気がする…確か…


「ベリル」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ