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灰色の魔女は、静かな日常を夢見ている  作者: 漆原


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27/41

27.4人の朝

朝、外がほんのり明るくなったころ。

家の外から何か音がする気がした。


そっと窓を覗くとレオン君が腕立て伏せをしていた。

レオン君は私に気がついてくれて、おはよう って手を振ってくれた。


私も窓を開けておはよう!って挨拶をした。

レオン君はすごいなぁ、朝から全力だ。

まだ眠たくて目をこすっている私とは大違い。


「お兄ちゃんおはよ〜!レオンくん起きてるよ~」


台所に向かうと、お兄ちゃんがいつもの難しい顔で鍋をかき混ぜていた。


「だろうな。あいつ寝れるタイプじゃねぇだろ。

ヒヨリ、悪いけどそこの皿取ってくれる?その後ヒカルの様子も見てきてくれ」


「はいどうぞ!ヒカルちゃんの事は任せて!」


なんだか……にぎやかだ。

昨日まで三人だった家が、急に賑やかになった。


私は階段をとん、とん、と上っていき、

ヒカルちゃんの部屋の前で一度深呼吸した。


「……ヒカルちゃーん、起きてる……?」


そっとドアを開けると、ヒカルちゃんは布団の中で目を開けた。


でも、まだ少ししんどそうで――見てるだけで胸がきゅっとなる。


「体調……どう? 痛かったりしない……?」


ヒカルちゃんは、私に心配をかけない為なのか、ふわっと笑う。


「ヒヨリ、おはよう。大丈夫だよ」


その笑顔にほっとして、私はすぐに手を差し出す。


「じゃあ、一緒に行こ!」


二人で下に戻ると、すっかり朝の匂いができあがっていた。

ほかほかのごはん、スープ、それに焼いたお肉のいい匂い。



「おー!来たな二人とも!ヒカル、座れ座れ!」


レオン君が嬉しそうに椅子を引き、

お兄ちゃんは 焦らなくていい と小さく言って皿を並べている。


私は急いでヒカルちゃんの前にコップを置いた。


四人で食卓を囲むのは、なんだか初めてなのに……

もうずっと前からこうだったみたいで、あったかかった。


ギルドに向かう道は、朝の光がきらきらしていて、なんだかわくわくした。

レオンくんはヒカルちゃんの後ろをちょこちょこ歩いてて、まるで大きい子犬みたい。


お兄ちゃんはその後ろを歩きながら

「そんなに急ぐなっての。転ぶぞ」


なんて言うけど、声がちょっと笑ってる。


ヒカルちゃんはいつも通り、眠たそうで静か……なんだけど、昨日よりずっと元気そうで、私はそれが嬉しかった。


ギルドに着き、レオンくんの登録が終わるまで、私はヒカルちゃんと椅子に座って待っていた。

登録を終えたレオンくんが元気よく走ってきて、


「なぁ!ヒヨリ!オレもう正式な冒険者だってよ!」


と、胸を張って言ったので、思わず「すごいね!」って手をぱちぱち叩いちゃった。


今日の依頼は、みんなで選ぶことにした。


壁に貼られた紙の中から、お兄ちゃんが一枚を指で軽く叩いた。


「これなんかいいんじゃねぇか? 初心者向けだし」


そこには『草原地帯に出るグリーンウィスプの討伐』と書いてあった。


ヒカルちゃんは紙を覗きこみ、ぼそっと、


「ふわふわしてるやつ……だよね。危なくはないし」


と呟いたので、私は思わず胸が軽くなる。


レオンくんはというと、目を輝かせて、


「ふわふわ!? 倒すのにふわふわって何だ!? 楽しみすぎる!」


ともうはしゃいでいて、

お兄ちゃんが「騒ぐなバカ」と軽く頭をぽんと叩いていた。

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