26.改めて
少し、休憩した後東の丘を離れる準備をする。
セイが私の肩を支えながら、立ち上がらせてくれた。
「歩けるか?」
「うん……ゆっくりなら」
ほんとはまだ足が少しふらつくけど、セイが横で支えてくれるから大丈夫。
ヒヨリは私の反対側にぴとっと寄り添い、心配そうに見上げている。
レオンはというと、槍を大事に抱えながら、さっきまでの強気がどこへやら、妙にそわそわしている。
「な、なんか……その……よろしくお願いします!!」
改めて頭を下げられて、思わず苦笑した。
「そんなに改まらなくていいよ……」
「いや、でも弟子だし!弟子はしっかりするもんだし!!……あっ!!!!」
レオンは急に大きな声を出し、固まる。
「ちゃんと自己紹介してなかった…!!」
と勢いよく、槍を背中に構え直す。
「レオン・ゲラウス!!もう戦った後だけど、槍使いだ!よろしくな、師匠!!」
「師匠はやめて……」
ほんのり笑いながら言うと、レオンは「えへへ」と頬をかいた。
ヒヨリがその横から、ぱっと笑顔を向けた。
「じゃあ……わたしも!妹のヒヨリ・ベアブルッケンです!ちょっとだけ回復魔法が使えるよ!よろしくね、レオンくん!」
ほんわりした声に、レオンもつられて笑う。
「お、おう!よろしくな!」
「セイだ。武器は違うが戦法は似たような感じだ。よろしくな、レオン」
「にいちゃんって呼んでいいか!?」
「やめろ」
即答だった。
ヒヨリがくすっと笑い、レオンも声を弾ませる。
最後に、全員の視線があたしへ向いた。
「……ヒカル……まあ、その…よろしくね」
「よっしゃ!!これで今日から同じパーティーってわけだな!!」
「いや、まだそこまでは言ってない……」
「え?違うのか?」
「……違わないけど……」
「違わねぇのか!!よし!!」
ヒカルもセイも呆れるしかなかったが、
ヒヨリだけは嬉しそうにくすくす笑っていた。
夕焼けの中を歩いていく四人の背中は、
行きよりもずっと近く感じられた。




