街に向かうのじゃ!
めっちゃ短くなってしまいました。
「して、どっちの方向に向かえばいいのかえ?」
『確か、ここからだと、北西に10km位行った先にあったはずですね』
「なぬ!?じゅ、10kmじゃと!?妾をそんなに歩かせようとするのかえ!」
『あ、獣人の身体能力は他の種族よりも圧倒的に高いんで途中で倒れたりはしないと思いますよ』
「ううむ、体は大丈夫じゃとしても、気持ちが乗らないのじゃ」
『じゃあ、ここでずっと野宿しますか?』
「う、そ、それは嫌、なのじゃ」
『ですよね。だから、少し位頑張ってください』
妾はもう街に向かうしか選択肢が残ってないことを知り、重い足取りで街へ向かい始めた。
歩き始めて2時間ほど経った頃、妾は1つの門の前にある人の列の中にいた。
「次の方ー。お、狐の獣人か。珍しいな。何か、身分を証明する物は持ってるか?」
妾の番が来て、門の中にある部屋の中に入ると、1人の男が話しかけてきた。
「えーと、何もないんじゃが」
「だろうな。ほら、これが仮身分証だ。この街で身分証を作るまではこれを使いな」
渡されたのは、カードだった。何でできているか分からないが、これを使えばいいらしい。
「んじゃ、最後に名前だけ記録しておくから、教えてくれ」
あ、名前何にも考えてなかった。前の名前が冬だから、えーっと、
「妾はスノーなのじゃ」
「スノーね。分かった。じゃ、もう街ん中入っていいぞ」
妾が部屋を出ようと後ろを振り返った時、
「あ、そうそう、悪い奴らには気を付けろよ。狐の獣人は特に珍しいからな、色々されるかもしれないぜ」
なんか今さらっと怖いこと言われた気が。ま、まあ、大丈夫でしょ。多分。
妾は門を出て、街の中へ入った。さて、これからどうしよう。まだ日暮れまでは時間があるし、適当に回ってみようかな。