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悠久の宴にようこそ  作者: 夜櫻 雅織
第二章:傀儡国の神 再始動

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第12話 世界から存在を認識される事すらも許されないまま朽ちていけ

【前回】カルストゥーラ達も転身する事を決めた

第12話 世界から存在を認識される事すらも許されないまま朽ちていけ


――全てを洗脳するだけでは面白くないから。


「―――という訳だ。突然ですまないがシルア、至急私の新しい体の服の用意を頼む。」

「畏まりました、お嬢様。因みにですが……お嬢様。私、少し思いついた事がありまして。」

「何だ。」

「お嬢様、大人を子供に出来る魔法という物はお持ちでしょうか?」

「持ってはいないが作り出す事は可能だな。……ただ、それも一過性の物。それを一過性ではなく、非可逆性の物にするという目的であれば魔法よりも魔法薬の方が良いだろう。」


 魔法というのは所詮、一過性の物が殆どだ。仮に魔法で炎を作り出したとしてもそれは決して永続的な効果を持たず、いずれは消えてしまうし霧散してしまう。特に、生物に対してはかなり抵抗される。

 それもこれも、生物には“元に戻ろうとする力”があるからに他ならない。例えば、怪我をした場合には元に戻ろうと治癒能力が働き、瘡蓋が出来てやがては何事もなかったかのように傷が塞がる。これは、仮にばっくりと裂けて中の骨が見えるような状態になっても傷口を縫っておけばそのうち傷が塞がるのも同様だ。

 その為、幾ら魔法で傷を付けようと。幾ら魔法で細胞を書き換えようと、結局は元に戻そうとする力が働いて元の大人の姿に戻ってしまう。そこで解決策として用いられるのが魔法薬だ。

 簡単に言えば魔法は外部から作用する物で、魔法薬は内部から作用する物。その為、この元に戻ろうとする力を粉砕し、完全に塗り替える事が可能となる。その為、今回の話で言えば魔法薬で子供に戻った場合にはどれだけ時間が経っても突然大人に戻るような事はなく、また子供から人生をやり直すような形になる。


 ただ心臓としては大人になるまで生きた計算にはなるから寿命は縮んでいる、という判定にはなるが。


 シルアが何をしたいのかは知らないが、それをするのであれば私よりもアルジュレッド(ペット)の方が適任だろう。こいつであれば一生子供のままする魔法薬も、子供に戻して人生をもう一度歩かせる魔法薬も作り出せるしそれの量産体制もある。


「ではお嬢様、仮に魔法薬とした場合。魔力や才能に関してはどうなるのでしょうか?」

「そのままだな。但し、魔法薬で強制的に子供になった影響から魔法を満足に扱えるようになるにはしばらくのリハビリが要る。そして、その時間はより高位な種族であればある程に必要時間が増える事になるから……そうだな。人間であれば5年程、竜種であれば50年は要す事になるだろうな。」

「ではお嬢様、魔力はあるが魔法を使う事は出来ない状態にする事は可能ですか?」

「可能だな。そういう効果を魔法薬に乗せれば良い。しかし……それに関しては正直、魔法薬ではなく魔法や魔道具の方が向いているだろうな。シルアが何をする気かは知らんが、魔法薬でそれをした場合には一生そいつに魔法を使わせる事が出来なくなる。仮に、捕縛のし易さという意味で言っているのであれば幼児化薬を飲ませて何処かに幽閉する際、その結界が張られた部屋に閉じ込めるか。そういった効果を持つ拘束具を着ける方が将来洗脳して傀儡とした時に魔法を行使させる事が可能になる。」

「なる……ほど。そういう事ですか。」

「……それで? 私はその質問の理由を聞かせてもらえるのかな?」

「勿論です、お嬢様。ただお嬢様がご想像されております通り、捕まえ易さという意味でも。拘束のし易さという意味でも仰る通りでございまして。ただ……私は少し、全てを何もかも隷属してしまうのは面白くないと思った次第でして。」

「というと?」

「―――敗残国の王族共を幼児化させ、お嬢様の手で改造されていく様を見せるのも面白いかと思いまして。例えば、1時間前にはまだお嬢様を崇拝していなかった息子がお嬢様の傀儡となってその父親である国王の前に顔を出させ、その無防備な懐に刃を突き立てさせてお嬢様への信仰の言葉を零させれば……それはもう素晴らしく絶望した可愛いお顔が見れるのではないかと。」

「……お前もなかなかえげつない事を考えるな。」

「元々私はそういうのが得意な種族ですから。相手を絶望させる事、そして一切の希望を一瞬にして根こそぎ剥ぎ取る事は非常に得意としておりますから。それこそ、意識と記憶はしっかりと自我のままで魔力だけ吸い上げて少しずつ人格破壊に勤しむのも愉しいかと思いまして。……折角素晴らしい遊び場を手に入れたんです、有効活用だけでなく愉楽という意味の命の活用も一度お考えになられては如何でしょうか。」


 有効活用だけでなく、愉楽……か。


 確かに、復讐でもそうだが一思いに殺してしまうよりもじわじわと苦しめて「頼むから殺してくれ」と懇願させ、それでも後生大事に深い所で鎖に繋いで牢獄の中で飼い続け、心が死にきった所で有効活用にシフトするのも悪くない。

 いや、むしろそれこそが全て余さず使い切るに該当するのではなかろうか。勿論場所の問題もあるので全員が全員という訳にはいかないが、国外から来た者。生意気な者。正義感の強い者など……後はまぁお気に入りにしたい者などの首に輪をかけ、手と足に枷を就け、全てを此方で管理して少しずつ大事に壊していくのも面白いだろう。


 命だけでなく、精神をも……か。上書きするのではなく、壊しきったそれを包み込んで完全に溺れさせてしまうのも面白い。


「……採用する。場所は後で作るが……アルジュレッド。」

「はい、ご主人様。幼児化薬の大量生産を御所望ですか?」

「あぁ。億単位で大量生産しろ。後、特定の人物の魔力を流し込まなければ外れる事のない首輪に手首と足首用の手錠もな。」

「喜んで。」

「シルア、適当に地下へ何の変哲もない牢獄を造れ。但し、全て個室にして部屋の3分の2を牢屋にするような形の一切他の部屋を認識する事も出来ない牢獄をな。」

「な、何の変哲もない牢獄を……ですか?」

「あぁ。そもそもの話、地下に関しては特定の人物を除き魔力を一定量に至るまで急速に吸い上げるように既に術式を組んである。居るだけで昼夜問わず、意識の有無に関わらず魔力を吸い上げ続けて魔力循環クリスタルへ蓄えさせている。何かをすれば折角の玩具を殺してしまうからな、それぐらいに留めるように。」

「畏まりました。」

――次回「第13話 私が私である証明に焦がれて溺れ続けて」


ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

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感想なども励みになります。


今後とも『悠久の宴にようこそ』をよろしくお願いいたします。


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