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悠久の宴にようこそ  作者: 夜櫻 雅織
第二章:傀儡国の神 再始動

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第5話 研究成果を奪われないように

【前回】孤児院をビジネス活用する事にした

第5話 研究成果を奪われないように


――流石のカルストゥーラでも引くものはある。


「そういえば、主。主に拝謁を願う方が来ております。」

「私に……?」

「はい。ギルジェディーラ国のカルゼグルージ“王弟殿下”がお越しになられました。我らがアード皇帝と不可侵条約と外交、貿易のお話をなさりたいと。」

「……あぁ、成程。分かった。」

「それに伴い、我が国の貿易官。アルフ・カーシェはお呼びになられますか?」

「いや、良い。アードも良い、後で内容は書面で渡すから全て私の指示通りに処理してギルジェディーラへ返送するように言いつけておけ。」

「畏まりました。」

「行くぞ、アルジュレッド。ただ相手は曲りなりとも私の弟で、並びにヤンデレだ。あまり私にくっつくと色々話がややこしくなる、護衛らしく後ろに控えていろ。」

「はい、ご主人様。では……此方を。」


 元の性格がそうなのか、それとも何かしらの原因で歪んだのかアルジュレッド(猫竜)は移動時、必ずその細い首にミスリルで出来た首輪を嵌めるように要求する。しかも、そこから同じくミスリルで出来た鎖を持つように言うのだから完全にペットに着けるリードと首輪に変わりない。

 とはいえ、ミスリルともあれば幾らアルジュレッドでも壊すのは難しい。何なら私ですらもこれの破壊に時間を要するぐらいだ、別に魔法を封じる事が出来る訳ではないがちゃんと拘束具としての役目を果たしている。

 正直未だにこの必要性を疑いながらもそれを引き。応接間へと歩いていく。首輪に触れて酷く恍惚としたこの変態を引き摺り回すのは私でも多少の抵抗があるのだが。


 ……。


「……な、なぁ、アルジュレッド。」

「はい、ご主人様。どう……されましたか?」

「……流石に抵抗があるんだが。」

「でしたらご主人様、どうかご主人様のご自由に罰をお与えになれてかつ俺がご主人様の愛玩奴隷である事が一目で分かるような代物を戴けませんか? どうしても……どうしても、常にご主人様の愛玩奴隷である事を認識出来る物が欲しくて欲しくて仕方ないのです。ただ、ただ俺を愛玩奴隷として扱っていただきたいのです。勿論、研究者としての務めも果たしますがそれとは別で御身の、御方だけの愛玩奴隷である証をどうしても戴きたいのです……!」

「わ、分かった。……考えておく。」


 私だけの愛玩奴隷ペットの証……なぁ。


 こんな物を強請られたのは初めてだ。何より、私はこれまで自分が作りたい物や自分の限界を確かめる為に色々と研究してきたのであって、こんな風に何かを求められた事というのはこれまでにない。

 勿論、ルイス達から何かしらの助言や助力を求められた事はあるがそれでもこいつのようにこんな物を望まれた事はない。まぁ、私としてもある方が安心は出来るので用意してやるつもりではあるが……。

 しかも、今回アルジュレッドから言われたのは罰則付きの物。私の意に反した場合は罰を与えるなんて、そもそもとして私の愚者の遊戯劇マリオネット・パレードは人格、性格、知識、技術。人としての全てを残したまま、まるで奴隷のように絶対的で、従者のように従順な操り人形(傀儡)を作る魔導。裏切りなんてありえないので罰を用意していない。

 しかし、そういう意味では彼らの影に取り憑かせるような形で見張りは立てた方が良いかもしれない。もし何かあればこちらへ強制送還し、再度洗脳し直せるように……。彼らを奪わんとする不届き者を殺す為の防衛装置として。

 幸い、ここでの実験は幾らでも出来るしその実験の為の素体は幾らでもある。それに、元々私が得意なのは新しい魔法の開発と生物及び生態系の変形又は製作だ。このまま実験を重ねてそういうのも作ってみよう。誰にも私の計画を脅かされないように、何もかもを手中に入れたままで居られるように。

――次回「第6話 折角得られた実験場を存続させる為に」


ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

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感想なども励みになります。


今後とも『悠久の宴にようこそ』をよろしくお願いいたします。


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