第39話 必ず迎えに来てやるからな
【前回】既存宗教を乗っ取った
第39話 必ず迎えに来てやるからな
――抵抗してくれる方が可愛い。
「ぅう……。……っ。」
『貴方は良い子でしょう? ……そのまま私の腕の中で溺れてしまいなさい。何も、気にしなくて良いのよ。』
次の標的は、この王都に唯一存在する巨大な王立病院。
これだけ広大な土地に1つしか病院が建っていないのも随分と不思議な話ではあるが、まぁ言った所で仕方ない。何より、そういう意味では一か所で助かったとも言える。
不治の病を患った患者を装って院長に謁見し。部屋へ入って直ぐ、竜種の院長と会話をすればいきなり額に目が現れたのに驚いて行動を急いだ。
結果、今のこいつは獣の姿へと戻ったフリューデに捲き疲れ。包まれ、強い睡魔に襲われて呻き声以外に出せる音が存在しない。
にしても、見た事のない種類だな。
かなり本気を出しているらしいフリューデによって体の所々が凍結し、時々意識が落ちては回復しているのが確認出来る。
また、フリューデの体に手を突いて立ち上がろうとするも直ぐに強い睡魔に襲われてぐったりと倒れる竜種の院長 ギルディール・ベクジューカ。
これもどうにか懐に落とし込んで沼に沈めたいな。
そっと小型ナイフでこいつの頬を切り、流れ出る血を回収。そのままインクに血を流し込んで混ぜ、こいつの為に用意した書類に追記もして代わりに署名する。
契約内容として無論、私への忠誠と信仰。彼自身の人権の譲渡。生涯、死後を含み私への隷属の3項目。続いて、国民以外は治療後必ず大量の睡眠薬を盛った上で騎士団への告知義務。正体を見透かす事の出来るサヴァン、心眼をコピーした上でオリジナルの方を私へ譲渡。
……成程。ゴースドディールか。
ゴースドディール。
竜種の中でも数自体はそこまで少なくないが、名前の由来の通り、幽霊のように消えたり、現れたり。はたまた何かを隠したりする事が得意なのもあり、他の竜種に擬態するのが得意なのもあって見つける事がかなり難しい事からレアな種族とされている。
そんなそいつをフリューデが上手く天井を仰ぐような体勢にしてくれる為、きゅぽん、と音を立ててシルアの〈独蛇の傲慢〉が入った試験管を開ける。
「また時が来れば嫌と言っても可愛がってやるからな。……今はこのまま夢を見ているかのような仮初の自由の中で我々に管理されていろ。」
――次回「第40話 私の為にその名声を使え」
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