第38話 駒という名の贄生成場を
【前回】人に化けたフリューデは、到底人とは思えない美貌の持ち主だった
第38話 駒という名の贄生成場を
――抵抗勢力など1つも許さぬように。
「ありがとうございます、本当にありがとうございます……! 何とお礼を言ったら良いか……!」
「気にしな~いで。神様っていうのは気紛れだからね。」
フリューデと向かったのは、この王都にある教会。先程出会ったシルケルアからの情報に因ればここの司祭、シェルフ・ミューカはそこまで献身的ではないらしい。
その真偽を確かめる為、教会へ出向いてみればそれも納得のいく物で。ここの司祭はこれまた珍しいリザードの司祭だった。
リザードも一応は竜種ではあるのだが、正しくは竜人の下位互換。一部では “竜人になり切れなかった竜人” などと言われ、よく差別の対象となっている。
リザードという種族その物はそこまで珍しい物ではないものの、それでもそれだけ虐げられている存在が司祭になっているという事実自体はかなり重い。これは紛れもなく、彼女が努力した証と言える。
その為、まずは彼女に興味を持ってもらえるようにと戦争や災害、事件によって脚や腕をなくしてしまった者達を正真正銘の神であるフリューデに癒してもらった事、想定通り彼女は我々を信じた。
何なら少し面白い話、私は少し前に普段私が住んでいる森の近くに教会を構えているのもあり、それならばとフリューデに神にしてもらった。神にしてもらった、というのも変かもしれないが、ちゃんとそういう風になっているらしい。
それ故、彼女は支配や隷属という形ではなく協力者として、自ら裏切ってもらう事にした。今現在この国で祀り上げている神を私とフリューデに切り替えてもらうよう、頼んだ。勿論この国が帝国になってからの話だが。
幸いにもそれを了解してくれたこやつはこれより私達の敬虔なる信徒。裏切ればそれなりの罪を与え、場合によっては首を狩り、全てを奪う。そんなお遊びもたまにはして良いだろう。
神に仕える者が神を乗り換える。これ以上の重罪が他にあるとは思えんな。
「礼は要らん。が、約束はちゃんと憶えているな?」
「はいっ! 見ているだけの神を捨て、お2人の為に全てを捧げます。後にこの近くにありますが今は使っていない倉庫を改築して孤児院とし、カルストゥーラ様達がお連れになる子供達を預かります。そして、カルストゥーラ様達がお望みになった頃、国家と神々に尽くす役目を果たせる資格を得られたと王城へ送り出します。」
「宜しい。では、直ちに行動を開始しろ。必要な物は全てシルアという凑白零蛇か、ルイスという悪魔に伝えるように。」
「はい、カルストゥーラ様!」
お前達が散々こいつらを放置していた結果だ、せいぜいそこで悔しがっていろ傍観主義の神々め。
――次回「第39話 必ず迎えに来てやるからな」
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