第32話 堕とすなら今、か
【前回】ユユアを活用し、早速王都への切符を手に入れた
第32話 堕とすなら今、か
――もっと、もっと多くの手足を。
「お帰りなさいませ、主様。」
『お帰り、愛し子。』
「お帰り、ご主人様。どうだった?」
「あの王、いつ死んでもおかしくないだろうな。……随分とやり易くなった。」
約束をした、とある日。
教会や孤児院、屋敷の管理もあって女性陣は置いてきて。ルイスとルーザを連れ、フリューデは私の使い魔という建前で王都へとやってきた。
面倒ではあったが媚びを売ってきたり、人間から見れば私がまだ20歳ぐらいに見える事から恐る恐るながらも縁談などの話もあったが当たり障りなく断った。どういうつもりかは知らないが、そうするともっと面倒なあのヤンデレ弟が飛んでくる可能性がある。
その後、私だけ現王と謁見した訳だが……かなり弱っていた。
一応は寿命という事だが、今は寝台から立ち上がる事すらも難しいあやつはこの国を頼みたいそうだ。王子と王女が多数居るのもそうだが、この国は王妃も当の昔に亡くなってしまっている事から権力争いが絶えないんだそう。
だから、喜んで受けてやると言った。
無論、その結果この国がどうなるかなんてわざわざ言ってやる必要もない。それを確認もせず、私にこの国の命運を預けたこの愚王の脳みそを恨めば良い。
コンコンコンッ。
「ルイス。」
「はい、何方様でしょう……っと、ユユア様。どうぞ、お入りください。」
「カルストゥーラ様、もうここに来てくださったのですね! 申し訳ありません、公務もあってパーティには出る事が出来なくて……。」
「気にするな。それに、一応はお前の父君と話をしてこの国の命運を預かる事になってな。それで……ユユア。お前は王になりたいか?」
「いいえ。ですが、それでカルストゥーラ様のお役に立つのでしたら、幾らでも!」
洗脳は解けておらず、むしろ強くなっている……か。良い兆候だな。
「そうか。ならどれが王という名の傀儡に相応しいかを見極めねばならんな。」
「でしたらカルストゥーラ様、これから一緒にお茶会をしませんか? 丁度、お姉様達とお茶会のご予定があるんです、2人もカルストゥーラ様にご興味を持ってましたので歓迎してくださると思いますわ。」
「……ふむ。」
『行っておいで、愛し子。チャンスはなるべく活かさないと。』
「大所帯で行く物でもないでしょう、我々はここで主のお帰りをお待ちしております。」
「俺も。……ご主人様が行くって言うから着いてきたけど、呪い殺すならともかく、仲良しごっこは幾ら何でも。」
「そうか。分かった。それで……ユユア。その御茶会とやらは護衛付きでやるのか?」
「そんな不敬な真似、騎士には出来ませんか。特にお姉様は監視されるのが特にお嫌いで、使用人1人ですらお部屋に入れませんから。」
ほう……。その用心深さで墓穴を掘るなんて、随分と面白い話だな。
「リエーナ第1王女と、ミーティア第2王女……だったか。ユユア、そのまま案内してくれ。」
「はい!」
――次回「第33話 上から下へと少しずつ」
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