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悠久の宴にようこそ  作者: 夜櫻 雅織
第一章:森の覇者

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第18話 復讐の焔も、立派な原動力なのだから

【前回】なるべく顔を見たくなかった弟、カルゼグルージから竜王祭への招待状を受け取った

第18話 復讐の焔も、立派な原動力なのだから


――遊べる人形は1つでも多く。


 そんな目で見られてもなぁ。


 どうやら私が色々と困っている間、シルア達にさぞ可愛がられたらしい例のハイエルフは臨時に彼女へ宛がわれた、随分と殺風景と言うか。あまり個人の物というよりはありきたりの部屋にて入室した私を何処か涙目で睨みつつ、誰かの慈悲によって与えられたらしいローブで身を隠す。

 元々シルアの体型が……まぁ、それなりに人を魅了する事に特化している関係からか、確かにあいつは露出の多い服を選ぶ事が多くある。まぁそれもこれも実際問題、私達の生活の為に誰かを誘拐してくる事があったりするからだろう。


 だからと言って私もあいつが選ぶ福はそんなに好きじゃないが。


「な、何を……する気、ですか。」

「……先に言っておくが、服の趣味は全部あいつの趣味だ。私に肌やら何やらを重ねるような発情期の獣のような行為は好いていないし、露出の多い服も好きじゃない。」

「……。」


 疑うなよ。どんな変な服を着せられたんだ、お前は。


「はぁ……。私はお前の魂の決断を聞きに来たんだ。」

「魂の、決断……?」

「あぁ。お前、私の駒になる気はないか。勿論、幾ら駒とは言えど奴隷のような扱いはせん。何かを対価に、私と契約して……そうだな。共犯者的な関係にならないか、と聞いている。あの馬鹿なエルフ共はお前を贄にする以外に有効利用の仕方を思いつかなかったようだが、本来であればノルデンのハイエルフと呼ばれるお前達、エルフの元祖の姿を保ったままのお前達ハイエルフはその膨大過ぎる程の魔力と血に刻まれた知識というものは幾らでも異様価値がある。」

「……仮に私がそれにどうした場合、貴方は何を……私に与えてくれるのですか。」

「可能な限り、望む物を。但し、此方としてもお前をある程度私の手元に縛る事にはなるが、逆に言えば私に逆らわないのであれば。私に反抗しないのであれば。私に協力するのであれば大抵の事は全て与えよう。服も、寝床も、食事も全て。飢えず、誰にも奪われない自由を与えよう。」

「……それではただ貴方が損をするだけでは。」

「それくらい、お前には誰かに奪われたくないと思えるほどの価値があるという事だ。」

「……本当に永続できるものですか?」

「あぁ。お前が私の駒である限り、その対価は常に履行され続ける。何ならお前の持つ膨大な魔力と地に刻まれた知識を使った何かを提供してもらう訳だ、その質に応じて何かを追加で与える事も此方は辞さない。」


 ……そうだな。


「例えば、お前を散々苦しめたエルフの集落を滅ぼしたい、と言うのであればそれも叶えよう。当然、それは私が望んでやる物ではないからそれ相応の対価を別途望むがな。」

「……望み、払う物を払えば。」

「そういう事だ。」


 理由と原動力は何でも良い。ただ、私は今、自らの暇潰しの為に面白い物を搔き集めたいだけ。

 それがどれだけ無謀であろうと、それがどれだけ高価な物であろうと元より私は傲慢で強欲で狂った化け物に過ぎない。そんな化け物がまともではこの世界は何も面白くない。

 事実、この世界は弱肉強食かつ常に誰かのエゴで捻じ曲げられてしまう随分と脆い世界。強者と有識者が必然として何もかもを奪い去り、弱者の事になど一切目をくれずに欠伸をしたり。満たされている事に満足できず、更にさらにと求める愚か者でしかない。


 お前の場合は復讐が最も原動力なりうるだろうな。


「……あの。」

「ん?」

「もし私が貴方に私の復讐を手伝っていただきたいと、願ったら……?」

「叶えよう。勿論、お前がそれ相応の対価を払い、私に対する忠誠を示せばの話だが。」

「……ハイエルフ、妖精の民が1人、ユルフ。貴方と、契約します。」

「契約、成立だな。」


 ノルデンという雪の大地にて少しでも外敵から身を護る為、異常な程に白くなったその肌身ですらも焦がすような復讐を誓う、焔のように赤い瞳。……これがいつの日か絶望に染まり、全てを自ら放り捨ててしまう事を望んだその時はハイエルフベースの死霊奴隷を作るのも面白いかもしれない。

 所詮、ルイスとシルア以外の契約者は替えの利く駒でしかないのだから。


「ではまずはルイス、シルア両名からこの屋敷でのみの振る舞い方や分からない事を聞け。シルアに頼めば近場の街で買い出しもしてくれるだろう。」

「……貴方の事は、何と呼べば?」

「好きに呼べ。……では、ある程度理解してから声を掛けてくれ。生憎と私は何かを教えるのが苦手なもんでな。」

――次回「第19話 褪せた思い出はいつも苦しく辛く」


ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

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感想なども励みになります。


今後とも『悠久の宴にようこそ』をよろしくお願いいたします。


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