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まほー(物理)  作者: 林檎とエリンギ
10th Theory
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Chapter 056_烙花の夜①

「ひっく・・・っく・・・」






「うっく・・・・・・ヤ、ヤ・・・ァ・・・」






「ひっ!?・・・~っっ!!」




「いっ!っうっ・・・」






「う、うぇ・・・」


夜・・・


月と星が真理を守る。

聖なる時間・・・



「ひっく・・・ひっく・・・」


・・・決して。決して取り戻せない

大事なモノを失ってしまった・・・


みんなを裏切ってしまった。

昨日までの自分とは別モノになってしまった。

夢みる権利を逸してしまった。

2度と(そそ)げぬ。穢れを浴びてしまった・・・



「えぐっ・・・ひっく・・・」



「うえぐっ・・・」



「ひっ・・・っぐっ・・・」



「・・・っ・・・」



「・・・は・・・い・・・」

「んっ・・・」

「んぶっ・・・」

「ケホッ、ごポッ・・・」



「っ・・・うっ・・・グッ・・・」



「あっ・・・ヤ!」


「うぎゅ!?」


「ひっ・・・あ。あぁ・・・」

「そんっ・・・ムr!?」

「ひぎゅぅっ!?」

「・・・ャ・・・ァ・・・っっっ」


「っ。っぅ。・・・。。。」


・・・

・・











「・・・・・・」


長い・・・

長い黄昏が終わり。夜になって。


私は案外アッサリと

解放された・・・



「・・・。・・・。。」


部屋にひとり

私を残し。

”連中”はドコかへ行ってしまった。


逃げ出すことなどナイと。

薬も洗脳も凌辱もうまくいったと。


そう、思っているのだろう・・・



「・・・。・・・。。。・・・・」


泣いて。泣いて。泣いている()


乱れたベッドは片付けられ。

私自身も拭き清められ。


薄いシーツを1まい掛けられ。

ベッドの上で私はひとり。


声を上げずに泣いていた



「・・・」


忘れたい・・・けれど、決して忘れられない

『べっとり』とした(よど)みが

心と身体の深い所を侵し続けた。


世界を渡って

幸せになるハズだったのに・・・



「。・・・」



自由な心と体のまま・・・自分の意志で犯された私を

みんなは笑うだろうか?

まるで、自ら犯されにいったみたいだって・・・



そう、嗤うだろうか・・・



「・・・・・・・・・で。も・・・」


・・・でも。でも・・・


・・・でも。

ココで暴れて。果たして、

ティシアを取り戻せただろうか?


アノ俗物を殺すのは容易いけど、

用意周到な耳長が何もしないとは思えない。


ワンアクションで相手を洗脳できるような魔法(ごつごうしゅぎ)

ない以上、相手の隙を突く他ない。




・・・それに。

2度もあの子を傷付けてしまった私が・・・私だけが

”無傷”だなんて。

そんなの・・・


























「・・・っ、」


けど・・・いつまでも泣いては

いられない。



「・・・ん。しょ・・・」


殺されず。ひとりにされた程なのだから恐らく、

連中は私が手に落ちたと思っているのだろう。


コトを起こすなら

今夜が最適解・・・




「・・・セト。」

『…!』


・・・穢されて。

なお・・・



「・・・いい子。ね・・・」

『///』


【理】はソコにあった。

“あの程度”の薬と洗脳と拷問と凌辱で。

魔女を征したとでも・・・思ったのだろうか?



「・・・サラ。」


笑っちゃうね・・・・





『『『グクルルルゥ…』』』


「・・・う?・・・んふふ・・・気持ちは分かるケド。ご主人様の為にも。あと、少しだけ待つのよ・・・」

『『『グルッ…』』』


「・・・大丈夫。私も・・・同じ。気持ちだから・・・」

『『『…』』』


星明かりに照らされた(すみ)のチェストには


自慢の魔女服と

偉大な師匠から(たまわ)った帽子。

そして、指輪の全てが揃っていた。


取り上げられたのは【短剣】と。

食料と薬を入れた【魔法鞄(ストレージバッグ)】ダケ・・・



「・・・?」


指輪が発動子とは・・・思わなかった?


故郷であるアドゥステトニア大陸の【北の(ノルウェ)エルフ】から

私の情報を得たと言っていたけど・・・



「・・・ま。」


なんにせよ。好都合・・・



「・・・ごめんなさい。お祖父様・・・」


短剣は・・・とても不本意だけど、諦めよう。

そして。帰ったら”おねだり”をしよう。


帰ったら。

いっぱいワガママ言っちゃうんだから・・・






『カチッ…』

「!?」


そろそろ着替えて準備しようかな・・・なんて。

思い始めた途端。部屋に響いたのは重く錆付いた

金属音だった。



『カッ…。』


そして、続けて・・・



『ガッ…チャンッ!』


・・・じょ、錠前の音!?



「!?」『『『!!?』』』


慌てて姿勢を”崩し”てシーツに潜り込み。

濡れた頬に涙を()ぎ足していると・・・



「…入れ。」「…」


施設の入口から族長殿を案内していたエルフ♂と・・・



「・・・?」


”???”の気配。



「…おい。」

「・・・?」


いったい・・・



「オイ!」

「きゃっ!?」


エルフ♂はシーツを遠慮なく引き剥がした。

そして・・・



「…」


私の網膜が



「・・・」


捕えたモノは・・・





















「…神父様のお慈悲だ。朝まで人質…」

「・・・どういうコト?」


「…は?」


「・・・どういうコトかって聞いてるの。ソレは・・・何?何のツモリ?」


「…」

「・・・」


「…薬が効きすg…」

「ひょっとして・・・フザケてる?試してる?」

「…貴様。口のきき方を…」


・・・話にならない。



「・・・セト。」

『!』


セトに命じて。



「…は?なにっ!!?」


指輪を手元に飛ばさせて。



「貴様ッ!?今のは…ま、魔法か!?まさかっ、まだ召喚獣を…」


♂の言葉を無視した私は差し当たり必要な2つの指輪を

右手の人差し指に挿”させて”



『パチィンッ!』


指パッチン!!



「しまっ!?」


♂が気付いた時には






『!!!』


もう、遅い。






「・・・んふふふ・・・」


星明りに照らされた漆黒の魔法印が重力の”檻”を・・・



「グハアッ!?」

「ッ!」


・・・発現!



「ギ、ギザ…」

「ッ、ッ、」


潰されながら騒ぎ散らかす♂と

”気味の悪いナニカ”を



「・・・うるさい。・・・セト。引力圏の外に斥力圏を重ねて展開。真空領域を生み出して防音なさい。」


『パチィンッ!』

『!!』


・・・見下ろし。

ながら・・・






「・・・それで?」


『ふわふわ』と浮かんで来た帽子と。

服と指輪を受け取った私は。



「・・・いったい。ナニをしに来たの?まさか・・・」


無重力ベッドの中で着替えをしながら・・・



「・・・まさか、その。”出来損ないの人形”・・・魔族・・・を。見せに来た・・・なんて。言わないわよね・・・?」

「「…」」


「・・・”要求した”のは。”妹”・・・だった。ハズだけど・・・?」


下着を着けて。靴下を履いて。



「・・・ウリエル。」

「…イエス。ロード…」


上着を羽織って・・・



「悪いんだけど・・・背中のボタン。締めてくれる?」

「喜んで!」


「・・・セトは。マントをお願い・・・」

『!、!』


身支度を整える”ついで”に



「・・・それで?クラリネット殿と・・・【写身うつしみ)族】のプラエッラさん?」

「んなっ!?ド、ドコで名を…」

「!?!?!?」


傍に罪人を引き摺り寄せ。

罪人のココロを読ませて・・・



「・・・心も」


マントブローチを留め。



「身体も・・・」


残りの指輪を嵌め。



「・・・・・・純潔。さえも・・・




“あの子”に。

捧げられる私が・・・」


(かしず)く天使に靴紐を結わせ。



「・・・最愛の妹を。瞳の色を。魔力の残渣を。仕草を。癖っ毛を・・・」


重力圏を巧みに操る星の子に

三つ編みを編ませて・・・



「・・・見誤ると。思う・・・?」


・・・仕上げに。

ロティアから貰ったリボンで髪を留め。

お母様の言いつけ通りスカートをはためかせ。

お父様の支えで地に足ついて。



「「っ…」」


10G空間に立ち上がり・・・



「・・・バカにするのも。いい加減になさい。」


「わ…ぐっ…」

「・・・「私は言われた通りにしただけ」・・・ですって?・・・だから、なに?自分は悪くないとでも言いたいの?・・・残念ながら。貴方が”知っていた”コトを私は”知っている”の。」

「、…」


「、…、、」

「・・・エルフに騙された・・・なんて、言いながら貴女。ちゃっかり報酬を受け取っているじゃない。・・・姿型(すがたかたち)の完全なコピーで・・・チラ見せで。私を期待させておいて。その後は薬漬けだから心配ない・・・なんて考えていた貴女が。無罪なワケ。ないでしょ・・・?」


「っ〜…」



・・・その

悔しそうな顔に



「・・・」


私は・・・






「・・・セト。」


・・・表情(カオ)を変えずに。



「ソーラーシステム・・・発現。」


理が導くままに






冥王星プルートゥ・・・」


唱える。

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