Chapter 019_ウソほんと
「、、、」
…とんでもないモノを。
釣り上げてしまった…
「はぁ~…はぁ~…」
「…」
その光景に。ただ、
沈黙するコトしかできなかった…
「うえっ…ゴホッ、ゴホッ…。はあぁぁ~…」
「…」
「…ふぅ~…えほっ…」
「………」
そして…
「…」
ソレは
数百年ぶりに私を捕らえた
「っ!!」
「まっ!」
『ダァンッ!!』
私はもう…必死だった!
「あ、ありg」
『ダダダダダダダダガァーーンンッッ!!』
大図書館の魔法は私の思いに応えてくれた。
『ガッ…チャァンッ!!』
”施錠”には鍵が不要だという事も。
こんなにも素早く部屋を生成できるのだという事も。
1つの扉に2重・3重のロックができるという事も。
声や魔力だけでなく、雰囲気や気配。そして、
“記憶”さえ“施錠”して“隔離”できるという事を知ったのは、この時…
…ちがうか。
この、1,000年後のことだった…
………
……
…
………
……
…
………
……
…
・
・・
・・・
「・・・ちょっと待ってください。新しい情報が多すぎて・・・いちど。整理させてください・・・」
「…いいよ…」
と、いうワケで!
これまで分かった事を整理してみる。
①アミちゃんは図書館の、もう一人の住人である。
②アミちゃんは【溟王】の異名を持つ魔族である。
③アミちゃんは昔喚んだ召喚獣に困っている
④アミちゃんは水魔法を“創った”人である
⑤アミちゃんはカワイイ。
「カ、カワイイだなんて…///」
「アミちゃんはとってもカワイイよ!」
「そ、そんな…///ティ、ティシアちゃんの方がカワイイよ…」
「…うぅ?んふふふっ///」
「・・・///」
テーブルの横で繰り広げられる
可愛いの大洪水にホッコリしていると・・・
「…おい、司書。」
腕を組んだゲオ様が
「…?」
「…大図書館では魔法が行使できないだろう?…ひょっとして。その効果でコイツは召喚獣から…」
「…その通り…」
「・・・」
・・・なるほど。
ヒュドラとセトには(余裕をもって)1年分の
魔力を渡してあるから気付かなかったけど・・・
大図書館の中は、
魔法が“発現しない”だけじゃ無くて。
魔力伝達“も”しないのかもしれない。
ソレなら、
魔法現象ではないハズの【魔道具】が使い物にならなかったコトにも説明がつく。
・・・って。
アレ?
そういえば。魔道具使えないんだよね?
でも・・・
「・・・」
「どうかなされました?お嬢様?」
・・・いつぞや
ローズさんが「もう寝る時間ですよ!」って、
言いながら時計を見せてくれたけど・・・
「・・・」
・・・あの時。秒針は・・・
動いてた・・・?
「…?」
・・・ひょっとして?
「・・・なんでもない・・・」
「左様でございますか…」
・・・主人を騙す・・・いや、誤認させるなんて。
困った侍女ちゃんだ・・・
「…?…ねーねーゲオ様。ナンのお話?大図書館が…召喚獣が?」
考えを巡らせていた私の隣でティシアはゲオ様に
質問をしていた。
「…大図書館の中では魔法が発現しないだろう?だから、この中に居る限り。あの小娘が召喚獣から魔力を奪われるコトも無いわけだ。」
「なるほどぉ!!」
ゲオ様の説明に納得したティシアが
「良かったね!アミちゃん!今は魔力切れに悩まされることも無いんだね!!」
・・・と。
嬉しそうにアミちゃんに抱きつくと・・・
「…あ、あのっ///…そのっ。えぇと…///」
「…う?」
・・・?
アミちゃんは頬を真っ赤に染めて・・・
「…あ、あのっ。ボク…」
ティシアの腕の中で狼狽えるアミちゃん。
すると・・・
「…」
・・・相変わらず無表情の司書様が
「…勘違い。してるみたいだけど…。…アミは。男だよ…」
「…へ?」
「…ついでに言うと。【炎帝】の異名を持つ魔王【カエン】の双子の弟…」
「…う?ね様。まおー。って…?カエン。って…?」
「・・・魔族の王様よ。女王カエン様・・・」
「…その、おとぉと。…って。コトは…」
カルマート様の説明を聞いたティシアは
「…」
「///」
アミちゃんに瞳を近づけ・・・
「…アミちゃん。オージ様なの…?」
唱えた・・・
・・・
・・
・
…
……
………
…
……
………
…
……
………
「…?」
それは、ある日のことだった。
「…どこかな………」
大図書館の魔法で部屋を作るには1つ。
ルールがある。
…間違えた。
ほんとはもっと、いっぱいルールがある。
これは、その。いっぱいあるルールの、ひとつ…
『コッコッコッ…』
どこかの人間が書いた園芸本を読んだ私は、
“畑”での失敗をもとに“お花”を育ててみたくなった。
そこで試しに【中庭のお部屋】を作ろうとした。
そうしたら、”同名の部屋がある”という理由で
魔法が“弾かれた“
「…そういえば。ドワーフの本にあった“噴水”というモノに挑戦したコト。あったかも…」
…思い出した私は。
廊下の壁まで歩き
「…」
…マスターキー。
中庭のお部屋に繋げて…
『…』
…私の心の声に鍵が応え。
目の前の壁に…
「…?」
“部屋への部屋”…その扉が現れた…
「…めんどう…」
過去の私は。どうしてこんなコトを…?
…と、疑問に思いながら。
1つ、2つと扉を開き…
「…さいご。」
…ようやく。
「…?」
3重の鍵で施錠された。見覚えのない…
水で汚れた厳めしい扉が表れた。
『ガッ…チャァンッ!!』
私は…何の気なしに開けてしまった。
それが、地獄の入り口だなんて考えもしなかった。
…そもそも。
そんな事を忘れていた…
「っ!!」
扉が開いた瞬間。
記憶という名の奔流が押し寄せた
『ズッ…』
私は、もう…必死で!
濡れるのなんて気にもしないで
扉を閉めるのに必死で!!
「フロストォッ!」
でも…
「!?」
…そう。
忘れていたの…
『パキィィンッ…!!』
…道楽の為に。この部屋…【中庭の部屋】には
“魔法が発現しない”という効果を綴っていなかったコトを…
………
……
…
………
……
…
………
……
…
・
・・
・・・
リブラリアは不思議がいっぱいである
「・・・コレで男の子。か・・・」
「あうぅ…///」
学園のチコくんもそうだったけど・・・
リブラリアの男の娘はレベルが高すぎると思う。
清楚な着物
艷やかな白髪
淑やかな仕草
控えめな性格
端正な顔立ち
鈴のような声
透明感のある肌・・・
どれをとっても女の子である。
ちっちゃ可愛いマドモアゼルである。
“涼やか”を体現した爽やかガールである。
「あんあん」泣いてる姿にグッと来ちゃうセニョリータである。
小さなお花の髪飾りがとってもKyawaii!!
「…///そ、そんなに。見ないで…///」
「・・・///」
恥じらう姿も
“キュン止ま”です!!
「・・・えいっ」
「きゃあっ!!」
みんな聞いた!?
「きゃあっ!」だって!!
「きゃあっ!」だよ!!
ちょっとハグしただけで「きゃあっ!」!!
「きゃあっ!!」って言わせちゃった!!
乙女は私の方なのに!?
「…あ、あの…カルマート様?」
「…なに…」
「その…ア、アミ様は本当に男性なのですか?とてもそうは…」
「…間違いない。水の底から引き上げた時、全裸だった…」
「じぇっ、全裸!?」
「カ、カルマート!?なにをいu…」
私の腕の中、
アミちゃんは真っ赤になってモガいた!
けど・・・
「…アレが付いてた。申し訳程度だったけど…」
・・・トキ既に時間切れ。
カルマート様の。その・・・ストレート過ぎる曝露に
「カルマートの。ばあぁかぁぁ〜っ!!」
アミちゃんは、
真っ赤になって穴を探し・・・
「あぁ〜んっ!」
「わ」
・・・近くにあった
「やあぁ~んっ…π2r√√@」
「・・・ひゃんっ///」
「あぁ~んっ!あぁ~んっ…!!」
「・・・うっ///うぅ・・・よ、よし。よし・・・あっ///あ、・・・うぅ・・・」
私の胸に
潜り込み・・・
「「…」」
「マシェ!?ぐぬぬっ…」
・・・そんなアミちゃんに。
男性陣は憐れみの(若干一名、ウラメシの?)視線を
おくっていた・・・
「…う?…ね様。アミちゃん…どしたの?」
「・・・ティシア。今はそっとしておいてあげなさい・・・」
「…う?」
「・・・男の子のプライドは。大事にしてあげようね・・・」
「…うぅ?…ん、んんぅ…」
大丈夫よ、アミちゃん。
愛があれば。きっと大丈夫・・・
「男の子も。大変なんだね…」
「うーうぅぅ~!!」
「ひゃゅんっ///・・・あ、あんまり動いちゃ。ヤ・・・///」
「ぐぬヌぬぅ~~~っ!!!」
「こっ、こらぁっ!離れなさい淫魔!!ウラヤマけしからんぞ!!!…ソ、ソコのエロフもガン見すんなー!!」
「いぃにゃぁ…」
「「…はぁ~。…ヤレ、ヤレ。だ…」」
「「…」」
「…真似すんな。オッサン。」「…真似をするな。小僧。」
「「…」」
「…?」




