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Chapter 017_万象を統べし黒き魔女

林檎です!


本話短いですが・・・でもっ!!


着想付きのお話です!


ホルスト作曲


組曲【惑星】より【木星】


いってみよっ!



「・・・インプロージョン」


・・・結局。

超新星爆発の兆候である星の“変光”現象が起きたのは

その日の宵時(よいどき)・・・


あの星が、

焔山を1/3くらい吸収した後の事だった。



『パチィンッ!』


2輪が生み出した【水でっぽう】も継続していたから・・・

星が吸い込んだ物質の総量は“異世界島国いちの山”1個分とか。

本当に、ソレくらいの量だと思う。


その重量は、もはや測ることもできないくらいの・・・【天文学的数字】

というヤツだ


・・・ま。でも。

超新星爆発が起きるほど星が“重く”なった1番の原因は


星自身が作ったモノだ。


どうやらあの星は、攻撃を受けると

“効果範囲の万有引力定数を際限なく引き上げる”・・・と、いう。


完全に、物理にケンカ売ってる

謎の習性をもっているらしい。


だから、あの星の効果範囲は周囲の物質を飲み込んで、

猛烈なペースで重力が大きくなっていく。


そうじゃなきゃ、

(人間にとっては大きいけど、宇宙にとっては微々たる)“その程度”の質量で

大質量天体でしか起きない天文現象が起きるハズないもの・・・



『ッドゴオオォォーーーンンンッッッ……!!』


重力崩壊は

大型の恒星が終末期に迎える

一大スペクタクルだ。



「す、…す、すごい…」


詳しく話すと・・・す、凄く長くなるから。

某ペディアにお任せするとして!



「ふ、ふふ…ふ…さ、さすが。ぼくのフォニア…」


本来なら恒星は“自重”で重力崩壊するんだけど、

そんなの待っていたら何万年もかかってしまうので


今回は炎獄魔法(インプロージョン)でむりやり圧縮!

重力崩壊する状況を強制的に生み出し、爆発させる事にした



「…こっわ」


ベヒーモス戦も含めて。まる2日・・・

今回はずっと、戦いっぱなしだったから大変だった・・・


もちろん。

途中で食事を摂ったり

仮眠を摂ったりは、したけれど・・・



「はぁっ…。…いつ見ても。お嬢様の魔法は美しい…///」


早く終わらせて。タップリご飯を食べて。

そのあと、36時間くらい眠りたい・・・



「にゃん。ですよ…///」


・・・ま。でも、精神的には

ずっと仲間の側で戦うことができたから

楽だった。


魔法を発現しっぱなし・・・とはいえ

ヒュドラも4輪も、魔力さえ渡してあげれば、

あとは自主的に戦ってくれるからね!



「こ、これが。お姉様の、まほー…。ま、魔女様の。まほー……」

「…テー。よく、見ておけ…」

「う、うん…」


あとは、炎獄魔法の爆縮(ばくしゅく)による超高圧に耐えきれなくなった星が

超新星爆発を起こすのを待つばかり・・・


・・・

・・





















そして・・・




「・・・そろそろ。かな・・・」


その時はスグに。

理のままに。


“唱えた通り”にやってきた・・・



『!!』


夜を照らす原初の光!!




「「「「「!!!!!」」」」」


ドームが一気に収縮し!!



「・・・みんな。大丈夫だから・・・」


そして



『ドドドグゥゥゥーーーンンンッッツ!!!』


耳に轟く大音響!!



「「「「「っ…」」」」」


みんなの声は聴こえず、表情も見えない

自分が置かれている状況も分からない


けど・・・



「・・・」


大丈夫・・・絶対に、大丈夫だ。

この瞳に宿る理を


信じて



『だいじょぶ、ダイジョブ。大丈夫・・・』


自分の声すら聴こえない砂漠の真ん中で、

夜の只中に生み出した“天地創造”を前にしていると・・・
















・・・やがて・・・



『………

………

……


…ッ』


“その時”が・・・



「・・・あっ・・・んぅっ・・・///」


ソレは、



『…』


夜を伴い。



「・・・


はぁ、はぁ、はぁ・・・んんぅ///

・・・

・・



んっ・・・



・・・んふっ

・・ふふっ

・ふふふ

ふふふふふふふふふ・・・///」




瞳に・・・・・・


・・・

・・





















……

………



「ふふふふふふ・・・」

「お、お姉…さ、ま…?」

「・・・ふふふふふふ」

「っ…」


『パッ!』と明るくなって『ドーンッ!!』って

爆発した火山のお星様は、


ゆっくり空から降りてきて。

いまは…



「んっふふふふふふ・・・・・・///」


妖しく微笑(わら)う魔女様の両手に

お包みされていたの…



「・・・すぐに、(おかあさん)が生み直してあげるから・・・いったん。眠りなさい。・・・ね?」


魔女様はひとり、

小さくなったお星様に

囁やきかけて。


自愛に満ちたお顔で



「・・・ふぅ〜・・」


星に

息吹を

吹きかけて………



『…ッ      』


手の中でチリと化した

儚い星を









「・・・・・・・・・おやすみ。セト・・・」


静かに看取り…



「・・・すー・・・・・・」


そして…



「・・・はぁ~・・・・・・」





















「・・・『リブラリアの理第5原理』」

「「「「「!?」」」」」


と、唱え…!?



「『綴られし定理を今ここに』」

「フォ、フォニア!?なにを…って!まさか!?」


「『古の盟約を果さん』」

「…このタイミングで…。そ、“そういう”コト。だろ…」


「『人を、水を、風を()べて』」

「え、えっ!?ま、魔法!?精霊は…た、倒したんじゃないのですか!?なにを…」


「『万象を描いて意のままに』」

「…ふんっ。“万象の”という、名の通りだな。」


「『それは母の許し そして父の力』」

「にゅふふふっ…さすが、ご主人様ぁ///」


「『証たる(かん)を戴き 証たる(しゃく)を掲げる』」

「…皆さん!魔女様が御唄いです。お静かに…」


「『我は王なり』」

「ね、ねさ…ま………」



「『統べよ』」




ロ、呪文(ロジック)を唄い終えた魔女様は



「・・・」


万色の星を宿した瞳で…



「・・・・・・」


…まるで。

卵を孵化すかのように



「・・・」


温め包む

自らの手に



「・・・んっ・・・」


口付けし…



「・・・・・・・・・」


たっぷりたっぷり。

間を開けて………



「・・・セト・・・」


小さな小さな囁き声で…となえっ



『…』


開いた手の上に浮かんだ…黒い

魔法印から現れ…ん、んぅーん…


現れたんじゃなくて…“生み”出した…



「・・・さぁ・・・」


リングを戴く小さな星に




「・・・おいで・・・」


…囁き



「・・・んっふふふ・・・」

『…!』


戯れ…



「んふふふふっ・・・」

「っ…」


星の力を宿したの…



「んふふふふふふふふ・・・」

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