Chapter 013_時無しの紅
林檎です。
本話はベリショです!
ご了承ください・・・
「・・・」
ベヒーモスが息を引き取った
宵色の空
「に…」
「…おい。アレは…」
「な、なんだろう。ね…」
300年間閉ざされていた開かずの門
【ヌチルデンの門】が開かれた。
「そ、そん…な……………」
そして・・・
「しゅ…主人…は………?
その、
「私の…生きる(アル)意味は………」
先には・・・
ソコは静寂が満たしていた。
ただ、紅が満ちていた・・・
『…』
・・・アノ異形を、強いて言葉にするならば・・・
【紅の星】
・・・と、いったところだろうか?
『…』
ソレは、
リング状の魔法印をジンバル式に無音で回し。
【王】のように火山の中央に鎮座して。
溢れ出るマグマを『コクコク』と
吸い上げていた・・・
『…』
ソレには。
悪意も
憎悪も
嫉みも
望みも
使命も
ナニもなかった。
ただ、
理のまま顕現し
理論通りに効果を齎し
結果的に全てを葬り
無為に時が過ぎていた・・・
『…』
理とは
こういう事
だと。
『…』
技術も
知識も
文化も
文明も
すべては細事
『…』
栄華?
技能?
歴史に伝統?
ただ春の夜の
夢の如し・・・
『…』
可哀想なゴーレム?
生命を弄んだ罪?
因果応報?
驕り?昂り?思い上がり?
全部まとめて。理の海へ・・・
『…』
ソレには、なんの意味もない。
意味を求めるのはヒトの性
ソコには、誰の意思もない。
意思を問うのはヒトの意思
理は、ただ。スベテにアル。
“ナイ”という言葉にすらアル。
ソレが理というものだ・・・
『…』
門の向こうには・・・そんな。
綴られし、無言で悠久の理が
「・・・きれい・・・///」
ただ、
現った・・・
・・・
・・
・
「・・・ほしい・・・」




