Chapter 023_呪われプリンス
林檎です。
本話。ちょっと長めです。
ご了承下さい。
「・・・・・・んぅ・・・」
ソレは、
「おじょぉ…さぁまっ…」
「・・・・・・ん・・・・・・んふぁっ〜・・・」
「ふふふっ…。お嬢様…フォニア・マルカス・ピュシカ様…万象の魔女様!」
いつも通りの・・・
「・・・ふぃ・・・ぅ・・・おはよ。ローズさん・・・」
「はいっ!おはようございます、お嬢様っ!…カレント2,186年 白約の月41日。お天気は晴れに御座います!」
“久しぶり”に
いつも通りの
「・・・ぅみ〜・・・」
「まだ…お眠ですか?」
「・・・ちょっとだけ・・・ふぁう・・・おちゃ。おちゃぁ・・・」
「はいっ、どーぞぉ。今日のお茶は…」
「・・・ディキャン」「ですっ!」
紅茶の香りの朝・・・いや。
お昼だった・・・
「…それにしても。随分長い間“上”に居られましたね?」
テントの中でお着替え(私は腕を伸ばしているダケで。全部ローズさんがやってくれるんだけど・・・)していると、
ローズさんがそんな話を始めた
「・・・ん。治癒と“お話”に時間がかかった」
数日で済ますつもりだった【風の森】訪問・・・
なのに気付けば、
半月近く滞在することになってしまった
「ふぅ〜ん…」
「・・・」
「楽しかったですか?」
「・・・・・・あんまり。」
「ソレはソレは…………」
「・・・」
ローズさんは、
上で何があったのか?
私に話してほしいのだろう・・・
「・・・でも。ちゃんと収穫もあった。」
「ソレはソレは…」
けど、礼儀作法があるから
私から言わない限り、尋ねない。
彼女は“できる”侍女さんだからね・・・
「・・・ティシアにお土産渡さなくっちゃ!」
「ふふふっ…お土産ですか?」
「・・・んふふっ!もちろん。ローズさんにも!!」
「へっ?わたしにも…」
「・・・もちろん!」
「えへへぇ…わあぁいっ!!」
読者の皆様も
ご承知の事と思いますが・・・
「・・・ね?今日のご飯はなぁに?お腹へたー・・」
「あっ、はいっ!!お嬢様が帰って来られたとあって。ゲオルグ様…そして、ティシア様が!腕によりをかけて朝食をご用意して下さってますよ!」
「・・・ティシアも!?・・・楽しみっ!」
上でナニがあったか?なんて。
とても言えない。
言えるはずがない・・・
「ふふふっ!そろそろお食事もできている頃だと思いますよ!お着替えも…うんっ!バッチリ!…さあっ、参りましょう!!」
「・・・んっ!」
言ったら彼が殺されちゃう・・・
・・・
・・
・
・・・で。
テントを出た私の瞳に映ったモノは
ギンギラ太陽と陽炎湧き立つ大砂漠。
そして・・・
「・・・リライト」
・・・コレ(※とても綴ることのできない無残な骸)である
「………はれ?」
「・・・目が覚めた?フルート?」
「…はっ!?て、天使!?!?」
「・・・私だけど・・・大丈夫?」
「天使…や、やっぱりココは天国か…」
「・・・私は天使じゃない。どっちかって言うと、その真逆にある魔女よ。・・・あと。ココは天国でもない。どっちかって言うと、天国に近い所から降りてきたの・・・」
「…つまり。舞い降りた天使…」
「・・・いろいろ違う。」
・・・幸い(?)
ローズさんとシュシュとルクス(本人は無罪を主張)による執拗な取り調べと鮮烈な拷問を受けたフルートが鼓動を止めたのは数分前のこと
だから、ギリギリ。彼を蘇生することができた。
「い、いったい。ナニが…」
「・・・む、無理に思い出さない方がいいと思うよ?」
あの後。ローズさんにフルートの事を尋ねたら、話題をそらされたので。
もしかして・・・と、思って問いただしたら
“こんなコト”になっていたのだ。
「…ア、アレ?あの黒い木は…フォ、フォニア“の”…だよね!?垂れ下がっている。3つの…き、木の実??は…?」
「・・・気にしないくていいよ。」
慌ててフルートを蘇生した私は
3人を拘束し、どうしてこんなコトをしでかしたのか問いただした。
すると・・・
「・・・ところで・・・フルート?」
「…うん?」
「・・・あなた。ローズさんとシュシュに「自分と私は」・・・そ、その・・・こ、「“恋人同士”だ〜」・・・って、言ったって聞いたけど・・・ウソよね?」
・・・と、異議申し立てをされたのだった。
「え?そうだけど…」
「・・・だよね?やっぱり嘘だよね。」
フルートが私に片想いしているのは知ってるけど、
ソレを受け入れたつもりは毛頭ない。
・・・キ、キスは・・・ま、まぁ・・・
け、けど!
そ、それは・・・ほ、ほら!
ただのお礼だし!?
告白には答えて無いし!!
・・・ドキッとしちゃったのはホントだけど・・・ソ、ソレはソレだし!!
ソレだけだし!!
私の恋人はカトリーヌちゃんだし!!!
「いやいや!そうじゃなくて!」
「・・・う?」
「…別に間違ってないだろ?」
「・・・間違ってる。」
「は?え??いや、だって…」
だから・・・
「フォニアとぼくは恋人同士だろう?」
「・・・嘘言わないで!」
こっ、
「嘘じゃn…」
「嘘だっ!!」
こんのぉっ!!
「・・・九尾!」
「へっ!?」
『パチィンッ!!』
「ぎぃやぁああぁっ!?」
勘違いお花畑オージめっ!!
「むぐぐぐっ…」
「・・・九尾。指の骨を1本ずつ“ゆっくり”折ってあげなさい。」
『ミシッ…パキッ』
「…っ、…っ〜!!!」
「・・・悔い改めるまで続けなさいっ!」
『パキンッ!!』
「っ〜…っ〜う!!」
フルートに罰を与えていると・・・
「わ、わぁ〜…ゲオ様ゲオ様!フルート君。さっきお亡くなりになったばっかりなのに。また拷問受けてるよ!?…だ、大丈夫かな?」
「…さすがに殺しはしないだろう」
食事の準備をしてくれていた
2人がやって来た
「体は治癒するんだろうけど…こ、心は大丈夫かな…?」
「お前の姉に惚れた時点で、手遅れだろう…」
「あ、あはは…は…」
「・・・2人とも。私を病気みたいに言わないで。」
「「…」」
え?ソコ黙るの!?
「そ、それよりお姉様!」
話題を変えるように
ティシアは口を開き・・・
「・・・う?」
「フルート君は自業自得だけど…ロ、ローズさん達を解放してあげなよ!…と、特に。どれ…ル、ルクス…お、おにいちゃ…は。…ロ、ローズさんの命令で見張りをさせられていたダケだよ…?」
・・・と。
心優しい妹が声を上げた
「・・・」
でも・・・
「・・・メよ。ローズさん達も反省が必要。」
「うっ!?で、でも…」
「・・・アレほど手を出すなって言ったのに・・・。また、わたしのモノを壊そうとした。」
「え、えぇと…。ル、ルク…」
「・・・共犯。」
「いやっ、でも!!…お姉様不在でローズさんに命令されたら。断われな…」
「…止めとけ。テー。」
ゲオルグ様に止められたティシアは
「えっ…。で、でもぉ…」
「やり方は苛烈だが…使用人が主人の言い付けを守らなかったんだ。罰を与えるコト自体は間違っていない。」
「そ、そう…かなぁ…?」
「………そういうコトにしておけ。…お前まで………だぞ。」
「う…う、うん………」
「・・・」
ゲオルグ様の言葉・・・小声で聞き取れなかった最後が気になるけど・・・
「・・・とにかく。4人はこのまま反省会!ソレよりご飯っ!!」
「う、うん…」「困ったむすm…」
「ゲオルグ様!何か・・・?」
「「なんでもありませーん(ない)!」」
・・・
・・
・
…
……
………
「あぃたたたた…」
その日の。夜…
「はぁ…まったく。困った子だ…」
フォニアの刺激的な愛情表現から
ようやく解放されたぼくは…
「お………」
たまたま目に入った…火の番をしていた
「…」
小僧の側までやってきた
「小僧…君も災難だったね?」
すると、
「ホレ。」
小僧が
「うわっ!?」
“中身が入った”コップを投げて寄こしたではないか!?
「も、もぉ!なんだよ?危なぃ…」
「…酒。」
「へ?あ…」
言われて見ると…
「スンッ…」
コップの中には琥珀色の液体が
「…んぅ!?ナ、ナニコレ…?」
木の香りと…け、煙の香り?
甘く、複雑なその香りは、ぼくがコレまで嗅いだことのない
芳醇なものだった…
「ウィスキー…」
「う、ういすき??」
「大麦の蒸留酒…だったか?…とにかく。麦から作った酒だ。」
「麦…って。パンの原料の?」
「…ちょっと違うが…まぁ、いいか。…初めてか?」
「…ぼく。お酒は果物の醸造酒しか飲んだこと無いからね。」
「…ワインとかか?」
「ワイン?」
「あぁ、えぇと…ブドウの醸造酒。」
「!…ソレソレ!…他にも。梨と、さくらんぼと、ブルーベリーと。アプリコットと…」
「…いろいろ有るんだな。」
「まぁ、ねぇ!果物は豊富なんだよ!ふるさ…」
「…」
「………」
…満天の星空を見上げたぼくは
「…」
夜に呑まれ。
2度と瞳に映らない遥かな故郷の風を
「…っ」
…ほんの。
『…』
一瞬…
「んぐっ!」
小僧に渡された琥珀を
ひと飲みに
「なぁっ!?…しらねーぞ。」
丸ごと包んでくれる瞳を
どこまでも柔らかい肌を
痛みを伴う指先を
温もりをくれる…唇を
「ぐっ…」
二度と。決して!
離してはならないと!!
彼女しかいないと!!
「ぶっへぇっー!!」
「うをっ!?キタねっ!勿体ねっ!!」
「ゲホッゲホッ!!ゴホッ!!」
「言わんこっちゃない…ったく!」
「ゲフッ、ゴフッ…」
その姿を瞳に刻み付け
その名を喉に焼き付け
「「うーるーさーいーわーよー(でーすー)!お嬢様(ご主人様)が起きてしまったらどうするのよ(んですか)ー!!」」
「ぎやぁああ!!」
「なんでボクまで!?」
…朝から晩まで。
1秒たりとも気が抜けない“これから”に想いを馳せ
「・・・う〜・・・」
「お、お嬢様!?」「ご主人様!?」
「わっ!フォニア!?またその服(?)を///」
「ゴクッ…」
「・・・う?」
楽しみ半分
「・・・・・・えっち。」
恐ろしさ半分
『『『『『る゛っ!!』』』』』
「死ねっ!エロフ!!」」「てんちゅー!!ですっ!!」
自ら選んで唱えた詩が
「ぎぃやあぁぁーーー…」
「グハアァッ!!」
間違いではなかった!
と、
そう思える…
「・・・あらら・・・んふふっ。ふたりとも、だいじょーぶ?」
「「ぎゅう〜…」」
「・・・もうっ。仕方ないなぁ・・・」
…そんな頁を目指して
「・・・すー『リブラリアの理第6原理・・・
・・・祈り込めて唄う』リライト。
・・・ほぉら、ふたりとも。
おっきして?」
信じ
従い
護ろう
と、思うんだ…
「・・・私のことを、守ってくれるんじゃ・・・なかったの?」
…だって。
ソレが理だって…
「・・・ね?“私の”王子さま・・・」
そう、思えるから…
林檎です!!
本話を持ちまして
7th Theory 【呪われし砂漠の民】 編は、
紐を閉じます!!
お疲れさまでした!!
次話から8th Theory!!
戦闘回が多いので、
期待してねっ!!
ご評価いただけると嬉しいです!!
・・・よろしくねっ!!
(追記!)
投稿時間に、ちょっと遅れちゃいましたが・・・「活動報告」上げました!
よろしくね!




