表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
331/476

Chapter 017_わがまま魔女様

「・・・うぅぅ・・・コ、コレだけ・・・?」


風の森に来て12日目・・・



「…食べられるだけ有り難いと思いなさい!!」


テヌートちゃん(昨日から私の世話をする係がテヌートちゃんに変わった。理由は聞かされてないけど・・・フルートが“とっかえひっかえ”しているのかもしれない。今度会ったら、物理的に爆破してやろうと思う。)から渡された“今日のごはん”は


レンバス(エルフの主食で、トウモロコシの粉に木の実を加え。薄く伸ばして焼いたモノ。異世界のトルティーヤに近い。)ひと切れだけ・・・



「・・・栄養価の偏りがヒドい。そもそも量が・・・」

「イヤなら食べなくていいのよ!」

「・・・・・・い、いだきます・・・」


ココのエルフ達は数百年間。

野菜と果物とレンバスで食べ繋いできたらしい。


炭水化物と食物繊維。あと、ビタミンは豊富だろうけど・・・それだけだ。

(因みに、森の中に“小鳥”がいるので。「食べればいいのに・・・」って、言ったら。「信じられない…」「…鬼畜」「コレだから魔女は…」という顔をされた。私、何か間違っていただろうか・・・?)


そりゃあ、栄養失調にもなるよね・・・



「・・・もく・・・」


ひもじい・・・



「・・・もく・・・」


この状況下では贅沢も言ってられない。

究極の栄養補助食品が欲しい。

具体的に言うと、“熱量の友達”的なナニカが・・・



「・・・もっ・・・くん・・・・・・」


せ、せめて。

野菜か、果物でもいいから・・・



「・・・ご、ごちそう。サマ・・・」


具なしトルティーヤを

数口で食べ終えると・・・



「…ん。」


目の前に

例のお茶が置かれた・・・



「・・・」

「…」

「・・・」

「…」


効能に気付いてからは

飲まないようにしているんだけど・・・



「はぁ~…。できれば、私“は”やりたく無いんだけど?」

「・・・」


ほら。

エルフは熟練の木魔法使いだから・・・



「…諦めて、自分で飲みなさい。そのほうが(らく)よ。…お互いに。ね…」

「・・・・・・」


テヌートちゃんはけっこう優しい。

一方、ドルチェお姉ちゃんはというと・・・

さ、察して・・・



『くぅー・・・』


飲まない分の魔力を調整するためか知らないけど、

食事量も減らされてしまった。

当然、ご飯が入ったままのストレージバッグは取り上げられている。


フォニアはただいま、

状態異常“飢餓”に喘いでいます。


(たんすいかぶつ)を分け与えてくれる正義のミカタはドコに?

タスケテココヨー・・・



『くひぃー・・・』


はぁ~・・・

鏡がないから分からないけど。

お肌荒れたり、枝毛になってないかなぁ?

・・・心配。



「アンタも強情ねぇ…」


・・・なんて思ってたら



「…こんな我儘娘のドコがいいのかしら?…!そ、そういえば、あの時の小娘も…」


テヌートちゃんが

なにやらブツブツと・・・



「・・・フルートのこと?」

「!?」


途端、「しまった!」という顔となり



「…ち、違うわよ!!」


後ろを向いて腰に手を当てた

彼女に・・・



「・・・私はフルートのコト。別に何とも思ってないよ。」


フルートには下心から“リップサービス”までしたけど・・・ま。

ソレだけで。


特別な感情は万に一つも無い。



「…」


王子様ラブ!な彼女に分かってもらうために、



「…なによ。ソレ…」


唱えたつもりなんだけど・・・



「じゃあ…ナニ?フルート様は片想いの相手に名を告げた…とでも、言うの?」

「・・・う?」


テヌートちゃんは、勢いよく振り返り。

語調を強めてそう言った



「アンタさぁ…フルート様の名前を聞いたんでしょ?」

「・・・ナマエ?」

「シンメイのことよ!」


シンメイ・・・



「・・・」


あの時の。もうひとつの名前のコト?

でも、確か。秘密にしてほしいって・・・



「…他種族に対しては秘匿してるけど…エルフ同士なら。“名前そのもの”以外は、秘密じゃないわよ。…全員。持ってるからね…」

「・・・そ、そうなんだ・・・」

「…」


私の言葉に・・・



「っ〜…」


テヌートちゃんは急に表情を変え、

耳まで真っ赤に染めて・・・



「ほんとっ…なんだっ…」


な、涙。。。を!?



「・・・ぅえ!?え、えぇと・・・」

「なんでっ…なっ、なんでアンナなのよぉ〜。。。わ、私の方がずっと。ずっと…」

「・・・うぅ!?」

「なんでっ…こ、こんなに愛してるのに!なんで?ねぇ、なんでよっ!?…ど、どうして。どうしてよぉ…」

「・・・」


え、えぇと・・・あの時。フルートからは

“もうひとつの名前”と、“誰にも言わないで欲しい“という願いを聞いただけで。

ソレがどういう意味なのかは聞いていない。


彼が。その・・・わ、私に。

“そういう”感情を抱いているの“だろう”とは、思っているし。

「秘密にして」と言ったくらいなのだから。

その名前がとても大事なモノだということも察している。

けど・・・



「こっ、こんなっ…。こんな人間の小娘に“あげちゃう”…って…な、なんでよぉっ。っ…。」

「・・・」

「お、お父様とっ…お母様も…ア、アッサリ認めちゃうなんてっ…ど、どうしてよぉ…」

「・・・」

「ず、ずっと…ずっと想ってきた私の立場が無いっ…じゃ、ないっ…。こ、こんなの…コンナノ…こ、こんなのって無いよぉ…っひぐっ…ひ、ひどぉいよぉっ…」


・・・あげる?認める??

よ、よく分からないけど・・・フルートを“奪った”って思われてて。


ソコが問題って・・・

そ、“そういうコト”だよね・・・?



「・・・フルートとは、この森でお別れだよ?」


本人からは何も聞いてないけど・・・

たぶん、彼はこのまま里に残るんだと思う。


でも、私はルボワに戻るから・・・



「っ!!」


すると、

バッと立ち上がったテヌートちゃんは

お茶のカップを掴ん・・・



「ふざっ」


うぅ!?



「けんなぁっ!!!」


投げっ!?



「きゃあっ!?」


ふえぇっ!?



『パシャンッ!!』


うぅ!?

ナニ!?ナニこの展開!?



「コノッ!ドロボウ猫がぁ!!」


お約束までっ!?



「・・・あ、あうぅ・・・」


びしょびしょぉ・・・

あ。でも、お茶が冷めてて助かっ・・・



「ふざけんなふざけんなふざけんなー!!フルート様の決意がそんなっ…そ、そんな軽い気持ちで【告白魔法(ヴァール)】を唱えたとでも思ってるのか!?」


ゔぁ、ゔぁ〜る・・・???

唱えるって・・・フルート、唱えたの?


あ。ヴァールっていう魔法名なのか。

・・・楓魔法??



「アンタはなにもっ…な、なにも分かってない!!フルート様はっ…っ〜…!!!」


え、えぇと。えぇと・・・



「・・・た、確かにフルートから“もうひとつ”の名前は聞いたけど・・・そ、それだけで!それが何なのか?とか。なんで教えてくれたのか?とか。そういう話は・・・き、聞いてないの!」

「っ!?っ〜…!!!」

「・・・と、とにかく!私はフルートのコト何とも思ってない!むしろ。彼はこの森に残った方がいいとさえ思ってる!」

「え…」


感情が大きく揺れたせいか、

私の言葉にテヌートちゃんは少し“たじろ”いだ


よ、よし!

コレなら・・・



「・・・だってそうでしょ?彼を利用した私より。愛してるテヌートちゃんと、この森に居たほうが彼も幸せに決まってる!」

「あ、愛っ!?しょっ、しょんにゃこと…///」

「・・・あるんでしょ?」

「……………はぃ///」


思った通り!

この子、ぴゅわぴゅわガールだ!!


世間知らず(じゅんすい)で思い込み激しいくて影響受けやすい!!

もう、ひと押しっ!!



「・・・そ、ソレに。私には紙を介した約束をした人がいるから!」

「えぇ!?そ、それって…」

「・・・も、もちろん!フルートじゃなくて・・・ア、アドゥステトニアにいるの!!だから!彼の気持ちには応えられない。・・・ソノ気は一切ないの。」

「そ、そ…そうなの!?」


「・・・ん!正直いえば・・・」

「…」

「・・・こんなコトで捕まって。ひもじい思いをしないといけないなんて。迷惑って言うか・・・」

「…」

「・・・それに・・・ほ、ほら!私は人間だから!エルフのフルートとは、いつまでも一緒にいられないでしょ?」

「っ」

「・・・も、もうひとつの名前に。何か意味が・・・魔法的な意味があるなら・・・私なら。と、“解ける”から。」


・・・たぶん。

だけど、ね・・・



「そ、そっ…か…」


すると彼女は

口元を・・・



「そっか…うん。ソウよね…」


・・・弛めて



「…か、彼!そういう…ほ、惚れっぽいトコあるし!?」

「・・・」

「き、きっと!もう、何年か…な、何十年も経てば彼だって心変わり…し、してくれるし!?…そ、そうよ!エルフ“らしく”時間をかければいいのよ!どうせ、“時間はある”んだから!!」

「・・・」

「コイツさえ居なくなれば…」

「・・・・・・」


「王子様にはナイショにしておけばいいし…。お姉様が相手する事になってる今なら…うん。5日間は有るから…」

「・・・・・・・・・」


彼女の独り言は、

“あえて”聴こえないフリをして・・・




「…あんた。」

「・・・う?」

「呪い…解けるのよね?」


んふふふ・・・



「・・・詳しく教えてくれる・・・よね?」

「………いいわ。ただ、問題は…」

「・・・大丈夫。痛みはない。」

「ほんと!?」

「・・・ん。ちょっと触るだけで、あとは・・・唱えた通り。」

「そ、そう…な、なら!イケるわね!?」

「・・・もちろん。」


・・・もちろん。



「…フルート様は“あなた”に呪われているわ。」

「・・・私に?えぇと・・・」

「…楓魔法。第1階位【告白魔法(ヴァール)】の効果は…」「・・・ま、まって!」

「…うん?」


耳長(あなた)達の秘密も・・・



「・・・治癒“魔法”だから。その・・・」

「え?…あぁ!ソ、ソレくらいの食事は許してあげるわよ!」



・・・私の目的も。



「・・・ありがと!」


ぜぇ~・・・・んぶ



「わっ!?ちょっ!!アンタ濡れてっ」

「・・・だってぇ・・・」

「も、もぉっ!…布巾(ふきん)用意してあげるから離れなさい。」

「・・・ん!」


・・・魔女(わたし)



「…あと。食べ物も…ね…」

「・・・んっ!!」


瞳に・・・

ピンチはチャンス!?


フォニアたん。相変わらず悪い子ね・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ