Chapter 007_自分勝手なの…
林檎です。
本話短めです。
ご了承くださいませ・・・
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
「…」
「…」
夜の砂漠…
「うぅ、フォニアァ…フォニアぁ…」
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
静かな砂漠の夜には、
エオリカちゃんの足音と、フルート君の情けない声だけが響いていた…
「…」「…」
わたしとゲオ様は…
無言で。
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
ただ、前を…
“ワザと”距離を開けているローちゃんと、
その背に乗る4人を
「…」「…」
眺めてたの…
「…ね。」
「…」
「…さっきの、ね様…こども。みたい…だった。」
「…」
「よく…分かんなくなっちゃったよ…」
「そうか………」
「急に怒って…急に。泣いて………」
「…」
「助けてあげたのに…傷つけて。脅して。最後は見捨てちゃって…」
「…」
「………こども。」
「………そうだな…」
「…テーね。ずっとね。ね様は凄い人だって…そお、思ってたの。あねちゃとおかー様から。そぉ、聞いてたの。」
「…」
「そ、それにね!助けに来てくれた時は、ホントに凄い人だったの!カッコよかったの!!テーを…助けて。守って。くれたの…」
「…」
「その後も…大きな瞳で。テーを。ローズさんを。シュシュちゃんを。ルクス…お、お兄…ちゃん……と。フルート君も…蛇さんも天使ちゃんも……みんなを。いつも見守ってくれていたの。」
「…」
「い、今は。ゲオ様も…だよ?」
「………そうだな。」
「………だからね。」
「…」
「だから…」
「…」
「今日は…び、びっくり。しちゃった。の…」
「…」
「…」
「…こ…った………」
「…」
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
砂漠の夜は寒かった。
フルート君は情けない声を上げながらも、お顔にぶつかる風を
弱めてくれているし。
ゲオ様はほとんど無言だけど、落ちそうになった毛布ごと、
テーをお包みしてくれた。
でも、
寒い夜だったの…
「…妹ちゃん……」
「っ…ふ、フルート…くんっ…?」
「君のお姉ちゃんは…確かに。感情の起伏が烈しい。普段はあんなに穏やかなのに、いざ怒ると震えるほど恐ろしい。誰も手を付けられなくなってしまう。だから、やり過ぎちゃうのさ…」
「…そう思うなら。お前が何とかしろ。」
「え?…ヤダなぁ、もう!ゲオ君ってば!このぼくが、彼女の唄を止めるハズ無いって…知っている。クセに…」
「「…」」
「もし…もし、この先。彼女の喉が問題を起こしたとしても。ぼくはそれを全部受け入れようと思っている。どんな茨の道だって、彼女の為なら…柔らかいものさ。…はは。ソレくらい想ってなきゃ、振り向いて貰えない…だろ?」
「「…」」
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
「…テー。」
「…ぅ?」
「お前は………自分が。正しいと思うことをすればいい。」
「ゲオ様は…………止めてくれないの?ね様。を…」
「…すまん。」
「…」
「ソレができる者が居るとすれば…それは、お前だけだ。」
「っ…」
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
「む、難しい。よ…
………恐い。よ…
…恐い。
嫌われるのが…………こわい」
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
「…っ、み、みんな勝手だよ!オトナのクセに!!子供のテーに言うなんて…………かって。だよ…」
「「…」」
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
「…ね様も勝手。フルート君も勝手。ゲオ様も勝手………みんな。カッテ、なの…」
『タタタタタタタタンッ…タタタタタタタタンッ…』
「…はぁっ。」
「もぉ…」
「…しかた。ないんだから………」
姉妹揃って、この包容力よ・・・
・・・と!いうワケで!
お絵描きAI画伯による【テー】ですっ!
AIにお願いするとき、特に「服」や風景の調教が難しいのですが・・・
今回は、まーまーうまくいったかな?
・・・よろしくねっ!!




