Chapter 016_愛の告白 恋の鼓動
『トットットットッ…』
「すー…はぁ~…」
その日の夜…
「・・・来たよ。フルート君・・・」
伝えたいことがある…
そう言ってよび出したおねーちゃんは
「あっ!おねーちゃ…ってぇ!?」
おねーちゃんは!?
「ちょっ!ちょっと待ってよ!!おねーちゃん!」
トレードマークの三つ編みを解き、
長い髪を下ろしたおねーちゃんのは、とても新鮮だった。
いつもと違う姿にドキドキした
ケド…
「・・・う?」
それ以上に!?
「なんでっ!その…」
「・・・その?」
「しっ…し、ししし下着姿なのさっ!?!?」
おねーちゃんは黒一色の
キャミソールを羽織っていた。
…ソレはいい。
イヤ。良くない!
だってこの服…
透けているんだもの!!
「・・・う?・・・下着じゃないよ?寝間着だよ?」
「ウソだよねぇっ!?」
「・・・ほんと。」
「嘘だッ!!」
触りたくなる“ふとみょみょ”も、
柔らかそうな“お腹”も
全部見えちゃってるよ!?
し、下は…さ、さすがに下着(というか。コレは…ショ、ショショショ…ーツって…ヤツだよねぇ!?)を履いてるけど。頼りない紐で結われているダケだし…
…と。いうか!ソレは確実に下着だよね!!
見せていいわけ!?
最後に厶…
む。む…む、むむむ…
“む”は…
…え?
か、隠す気…あるの?
おねーちゃん。
おっきいぃ…
綺麗…
ピ、ピ…ん………???
ゴクッ…
「・・・・・・えっち。」
ぼくの視線に気付いたのか…
おねーちゃんはそう言った
でもっ!
「どっちがだよ!?」
さすがのぼくだってモノ申すよ!!
困るんだよ!
目のやり場に困るんだよ!!
すっごく困ってるんだよ!!
【全年齢対象】の枠的に困るんだってば!!
何も着ていないよりイヤラシイとはケシカラン!!
「・・・そんなに見ないで・・・」
ってぇ!?
ダメダメ!
口に手を当てて細い腰ひねるとか反則!!
ふとみょみょ重ねるとかジャスティス!!
寄ったお胸がAgapeってるよ!!
「・・・はじゅぃよ・・・///」
ヤヴァ可愛もちっ!?
「っはぐゎぐあぁっ!?♀+2πr=♂+lim(r→∞)H(r)!!」
うわぁ〜ん!!
お母様助けてー!
魔女がっ、魔女がぼくをああぁぁーーー!!!
「・・・も、もぉうっ///・・・ヒュドラ。」
『パチッ』
悶えるぼくを見かねたのか…
おねーちゃんはトーンダウンした
指パッチンと共に
『『『『『ブジュル゛』』』』』
「ひぃー…」
怒れる魔獣を指から顕現し…
「・・・ほら、おいで。」
『る゛〜…』
…自の身に這わせて。
上着のように纏い
「・・・これでお話しできる?」
先程より、かなり刺激を抑えた装いとなった
「う…う、うん。…ご、ごめんね。」
ちょっと…凄く…物凄く………
残念な気もするけど
コレでやっと。おねーちゃんの顔を見て
お話しできるよ…
「・・・いいけど。」
「おねーちゃんの召喚獣…い、色や質感まで変えられるんだね。便利だね…」
「・・・んふふっ。いい子でしょ!」
って!
「そ、ソレで!おねーちゃん!!」
そうだ!
かなり脱線したけど…
「・・・なぁに?」
だ、だだだ大事な話があるんだ!
もう、失敗しない為に…
もう、“逃さない”為に!!
「ぼくの名前を聞いて欲しい!!」
覚悟を決めろ!
ぼく!
………
……
…
…
……
………
「…2つ目の名前?エス…エスプレシーボとは、別の名という事か?」
「そ、そう!」
あぁ…
やってしまった…
「ほぉ…エルフの文化か何かか?」
「そ、そんなところ!」
…もう。
後戻りはできない…
もっとも。後戻りなんてするつもり無かったからこそ
告げたのだけれども…
「エ、エルフは全員…お、女も男も!世界樹から授かった2つ目の名前を持っているの。…い、今のが…」
エルフの【真名】を知っているヒトは少ない。
エルフ族が秘匿しているのもあるけど。それ以上に真名というモノは…
「…だ、誰にも言っちゃダメよ!ゲオルグ!!」
「それは構わないが…」
「絶対だからね!…2つめの名前があるってコト自体。言っちゃダメだからね!」
「くどいな…」
「それだけ大事ってことよ!!」
…真名は。
生涯を添い遂げようと想った相手にだけ
伝えるモノであり。
“真名の告白”その行為自体が、
すべてのエルフが人生でただ1度だけ行使できる【楓魔法】の1つ…
【告白魔法】だからだ
「はぁ…分かった分かった。誰にも言わないと誓おう。」
「う、うん!」
“生涯を添い遂げる”…それは、
人間たちが口説き文句として唱える“おまじない”ではなく、
文字通りの意味である。
この先。愛するこのヒトに何かあれば…な、何もなかったとしても。
人間であるこのヒトが寿命を迎えれば
その時、私も…
「…ソレをオレに告げてどうする?」
「ドウって…い、今までと一緒よ!今までと…ず、ずっと一緒にいるってダケよ!」
でも…この魔法の効果について。彼が気にする必要は無い。
魔法の影響は“私個人”にしか及ばないし…
か、彼に重荷に感じて欲しくない!
だから…
「あ…あなたみたいに世話がかかる人。ほっとけないでしょ!?この先…あ、あなたが死ぬまで!面倒見てあげるってダケよ!」
「…ふんっ。」
…だから。
………
……
…
…
……
………
「・・・申し訳。ございませんでした・・・」
カレント2,186年 恵土の月24日
「…お前が謝るのか?」
天気は霧雨…
「・・・・・・どんな理由があろうと。たとえ“手遅れ”だったとしても。患者様として迎えた命を救えなかった責任は術者にある・・・と。そう、教えられてきました。わが師に。」
「…」
この小娘は成人を迎えたばかりの
まだ、子供だそうだ。
16歳…その頃のオレと言えば。
当時、史上最年少で1級冒険者に合格したのをいいことに…調子に乗り。
冒険者仲間を馬鹿にし、傷つけ。ケンカし、打ち負かし。報復され、身ぐるみはがされ、殺されかけ…
…そんな、無茶苦茶な日々を送っていた…と、思う。
「・・・もはや、私にできる事は謝ることだけです。・・・っ・・・ゲオルグ様。あなた様のお仲間を誰一人救う事が出来ず。本当に。申し訳ございませんでした・・・」
当時のオレは…
この小娘のように年上の男に頭を下げる事など
できただろうか?
…イヤ、考えるまでもない。
「頭を上げてくれ。魔女ど…いや。治癒術師“様”…」
「・・・」
「貴女は何も悪くない。オレ達…冒険者はみな、“その覚悟”ができている。貴女には何の責もない。沈黙は出来ない。頼む…」
「・・・」
「頼む…」
「・・・・・・」
「っ…」
ロクでもないオレと比べるのも馬鹿らしい…か。
「はぁ~…分かった。………………」
…まったく。困った娘だ。
“あの”ベルナデッド卿が教えを乞うだけはある…か。
“天使様”とは。よく言ったものだ…
「・・・」
「………」
「・・・あ、ありが・・・」
だが…
「ところで…“1級”冒険者であるフォニア殿。」
「うっ!?は、はい・・・?」
「貴殿より上級でありながら、魔物の接近に気づかず。無様にヤられ。剰え、貴殿に被害と多大な迷惑をかけてしまったオレを許してくれ。」「うっ!?・・・そ、それは!」
「…もはや。オレにできる事は謝ることだけだ。本当に申し訳なかった…」
「・・・うぅ・・・」
「………」
ヤラレっぱなし…とは、
「・・・むぅ~っ・・・」
「…」
「・・・はぁっー・・・分かりました。・・・・・・・・・」
いかないだろう?
「…ふふふっ。」
「・・・んもぉ!私はそんなの気にしてませんよ!」
「だとしても。だ。」
「・・・相手が悪かったんです!私だって初弾は・・・」
「生き残ったのは貴殿で…。魔物を撃滅し、オレを含む仲間の“大半”を救ったのも貴殿だ。それは綴られた事であり。それが理…だろう?」
「・・・むぅ・・・ゲオルグ様。がんこ」
「…貴殿に言われたくないな。」
…と。
ソレはソウとして…
「しかし…オレだけ生き残るとは。皮肉が効いているな…」
「・・・それは・・・」
「先に言っておくが…その事については“謝るな”。」
「・・・・・・はぃ・・・」
忠誠心溢れ、誰よりも先に危険を察知して戻って来たシド
我らがパーティーの盾役で、誰よりも先頭に立っていたドワーフのガドワール
そして、オレに親しみを感じていたエルフのエスプレシーボ…
何の取り柄もない
人間のオレだけが残されるとは…
「魔女よ。オレは…」
これから、どうしたらいい…?
女児に聞くような事ではないが…
思いがけず紡ぎかけてしまったその言葉
しかし、魔女はオレが言い終える前に
「・・・ゲオルグ様。貴方様に・・・お伝えしておかなければならない事があります。」
…と、口を動かした。
伝えなければならない事…?
「…」
続きを待っているオレに
魔女は…
「・・・胸に・・・手を。当ててください」
そう言った魔女は目を瞑り
両手を自らの胸に重ねてみせた
「…?」
何を…?
そう思っていると
「・・・さぁ。手を・・・聞いて“あげて”・・・」
魔女は姿勢をそのまま
言葉を繰り返した
「…」
疑問に思いつつも
「ふん…」
従うと
『とくんっ、とくんっ、とくんっ…』
「…」
いつも通りの
心音が…
『とくんっ、とくんっ、とくんっ…』
「………」
いつも…どお…り?
「これは…」
「・・・」
「まさかっ!」
この鼓動…ま、まさかっ!?
「魔女っ!貴様ぁっ!!!」
ベッドから身を乗り出し睨みつけたオレに
魔女は…
「・・・分かり・・・ます。よね?
・・・・お察しのとおり。ゲオルグ様の心臓は・・・
・・・エスプレシーボ様から
移植したモノです。」
た、たぶん・・・・大丈夫ですが。
もし、天の声受けて、
差し止め食らったらごめんなさい。
林檎が悪いんじゃない!
魔女が・・・悪いんだっ・・・
そっ、ソレはともかく!
活動報告UPしました!
次章に関するご連絡でっす!
よろしくねっ ;)




