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Chapter 019_ただのよくある、短くてツマラナイ物語

林檎です。



前回に続き、本話もものすごーく短いです。

ご了承ください。

日付なんて覚えていない。

ただ、あれは・・・星のない夜の事だった。



・・

・・・



小学生の時に母が自殺

      父が蒸発。



中学生の時は父の実家・・・おばあちゃんに引き取られて。四国の学校に行ったけど・・・なじめなくて。イジメられて。

殆ど家で、ネットと参考書を読んで過ごしてた。


おばあちゃんはいつも笑顔で優しくて。おうどんはおいしかったけど・・・

それだけ、だった。


おばあちゃんは“ただの身内”で。

“味方”じゃなかった。


父がどこかで死んだと聞かされたのも、この時

・・・どうでもいい事だけど。



高校受験の時。おばあちゃんも死んじゃって。

行き場が無くなった私を引き取ってくれたのは、従姉(いとこ)のお姉ちゃんだった。


看護師のお姉ちゃんは私の美味しくない料理も美味しいと言って食べてくれた。

一緒にゲームで遊んでくれた。

よく酔っぱらって絡まれた。

英語と数学と理科は私が教えてあげた。


看護科卒業しているくせに・・・そんな簡単な構文間違えてどうするの!?

2桁の引き算くらい暗算しようよ!?

薬の量間違えたら、患者さん死んじゃうよ!?


んふふふっ!世話が焼ける!!


私の唯一の家族。かけがえのない人だった・・・



大学に進学した直後。

進学の関係でひとり暮らしを始めた私が

数日ぶりにお姉ちゃんの部屋に向かうと・・・



「・・・う?」


ソコには誰もいなくて。何もなかった。


連絡はつかなかった。


職場にも行ってなかった。


彼女の話には“カレシ”も“オトモダチ”も、いっさい出てこなかったから

聞いてなかった。


彼女は私と同じようにひとりっ子だったし、親と仲が悪くて絶縁していたから・・・い、一応。電話はしてみたけど・・・繋がらなかった。


どうして?何処へ・・・?

何ひとつ分からなかった。


ひょっとして、彼女の存在そのモノが魔法みたいな物

だったんじゃないかって・・・


・・・そう思っちゃうくらい。


キレイさっぱり消えてしまった・・・






私の居場所も消えてしまった


“まほー”みたいに


・・・

・・






「・・・」


大学で論文代筆のバイトをしていた私。

図書館で資料を参照しないといけないから、閉館時間までいる事が多くて

家に帰るのはいつも夜。


コンビニで

ちょっと贅沢なビーフシチューと、海藻サラダと、

もちもちアイスと、お水を買って


玄関に鍵を挿して回す。と・・・



「・・・う?」


中途半端に重苦しい『ガッ…チャンッ!』という音が・・・しない?



「・・・締め忘れ?しまった・・・」


まあ・・・パソコン以上に価値がある物なんて無いし。

貯金代わりに先物転がしてるから現金化には時間がかかる。

パスワードは全部頭の中だから盗りようもない・・・



『キィッ…』


し、下着目当てだったら・・・気持ちわるっ。

でも・・・色気マイナス補正の地味なブラトップしかないんだけど・・・そ、それでもいいのかなぁ?



「た、ただい・・・ま・・・」


・・・いや。

被害者になるかもしれない私がそんな心配をする必要はあるまい・・・なんて。

緊張しながらも、気楽に扉を開けた。


お姉ちゃんと暮らしていたせいで癖になっていた「ただいま」を言いながら・・・



「・・・」


薄暗い部屋。


お姉ちゃんが選んでくれたクリーム色のカーテン。


参考書が散乱したワンルーム。


引っ越し祝としてお姉ちゃんがくれた、変なキャラの冷蔵庫マグネット


スリープモードでゆっくり明滅するパソコン。


ポールに引っ掛けた。お姉ちゃんが選んでくれたお気に入りのキャスケット。


一足もない玄関。


お姉ちゃんが誕生日にくれた、ゲームに出てくる魔女ちゃんのフィギアが・・・



「・・・床に・・・落ちてる?地震なんて・・・あったっけ?」


『ガタッ』

「えっ!?きゃあっ!?」






これが前世の全部。

2,000文字にも満たない、【ただのよくある、短くてツマラナイ物語】

奇しくも今日は七夕ではありませんか!?

逢瀬の夜に、悲しい別れのお話を投稿しなければならないなんて・・・


ショック。



それに、

短いお話が続いてしまい、このままでは読者様から「読み足りない!」と

言われかねないので、


今回はもう1話!

同時投稿いたします!



「次へ>」をクリック!


・・・よろしくね!

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