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Chapter 040.5_臨理のお祝い<閑話>

林檎です。

本話、いつもより短めです。ご了承ください。

「・・・魔導書は・・・」

「…以前、中級魔法大全をお贈りしたではありませんか。これ以上はプレッシャーを与えてしまうだけですよ?」

「・・・それもそうか。なら【卵】を・・・」

「発送済みです!」


来月に迫ったロティアの8歳の誕生日・・・臨理(りんり)のお祝い・・・に送るプレゼントを探して上町の商店に来たものの・・・



「・・・う~うぅ!・・・何をあげればいいのか・・・分かんないよぉ!」


魔導書や魔道具は既にプレゼントしてしまったし、筆記用具はおばあちゃん(レジーナ様、本家のお祖母様共に)があげるだろうし、武器(剣と魔法があって当たり前のリブラリアでは、発動子として剣や武具を子供に与える行為が一般的)はお祖父様があげるだろうし・・・

・・・そうだ!



「・・・時計を!」

「ロティア様には必要ないですよね…」

「・・・」


妹は田舎でナチュラルスローライフをおくっている。

日の出とともに起きて、鐘の音でお昼を食べ、日の入りを合図に床に入る彼女に

時計は無用の長物だろう・・・



「それに…盗まれてしまうかもしれませんよ?」

「・・・」


子供のころはなんとも思っていなかったけど・・・なんだかんだ言っても、やっぱり冒険者の街は他に比べて窃盗や強盗が多いらしい。

もし、妹が街中で時計を取り出し、お金に困った冒険者が見つけて後をつけられたら・・・



「…トドメに、今から頼んでも間に合いません。」

「・・・うぅぅ・・・」


時計は【(まどか)】様という錬金術師にしか造れない魔道具だ。

当然、需要に比べて供給が間に合っていないので注文から納品までには1~2年かかる。来月に間に合う可能性は万に一つもないだろう・・・



「もっとこう、普通の…ロティア様が喜びそうなものをお贈りすれば宜しいのではないでしょうか?」

「・・・ロティアはきっと、何をあげても喜ぶ。」

「うふふふっ…確かに。お姉ちゃん大好きっ!!って感じでしたからね…」

「・・・んふふふっ!」

「ふふふっ!!」

「・・・だからこそ。選ぶのが難しいんだけどね・・・」

「そ、そうですね…」


ローズさんとそんな話をしていると・・・



「…では、フォニア様。このご本などいかがでしょうか?」


と、声をかけられた。

振り返るまでもなく、声の主は・・・



「・・・カトリーヌちゃん」

「はいっ!あなたのカトリーヌですわっ///」


プレゼント選びにやってきたのはラレンタンド商会の本店。

ラレンタンド商会は・・・本職は小麦の輸送業なんだけど・・・全国に支店を持っているため、小麦以外の製品。魔物素材や、パド大陸の珍しい品、鉱物まで・・・の流通も担っている。

エディステラの中央通り、→コ()()←、本店には、リブラリアのありとあらゆる品物が集められているのだ!



「出たな商売女!何しに来たのよ!!」

「何しにって…ここは私の店ですわよ?フォニア様がご令妹様のプレゼントを探しにやってきたと連絡を受けましたので、急いで…」

「お呼びじゃないのよ!」

「んまぁっ!?…相変わらず失礼な侍女ね!!」

「ふーんだ!」

「ふんだっ!」


止めて2人ともっ!

フォニアのために争わないで!!


・・・と。

それはいいとして・・・



「・・・カトリーヌちゃん。そのご本は?」


カトリーヌちゃんはロティアと会ったことがあるし・・・何より、その道のプロだ。

彼女が紹介してくれる物なら良い物に違いない。



「そ、そうでしたわ!えぇと、コレは…“メリゼの水車小屋”という小説ですわ。」

「・・・?」


メリゼの水車小屋?

聞いたこと無いな・・・



「…ふふふっ。ご存知無くても当然ですわ。何しろこの小説は…300年くらい前に発表された物で、発行部数も多くはなかったようです…」

「・・・なるほど。」


300年前の小説か・・・


前世だったら当時の現物(カトリーヌちゃんが持っているのは文字通り“300年前に出された本"である。)なんて出たて来たら「・・・遺産!?」って驚いただろうけど、リブラリアに来てからというもの「・・・なんだ。割と最近じゃん。」って思うから怖い。

リブラリアの“本”は製紙魔法(ヴァージンリーフ)で作られているから劣化に強く、何もしなくても百年くらいは平気で保つ。

保存状態が良ければ千年、二千年も・・・



「内容は…宿屋を経営する姉妹の家族愛を綴った牧歌的な物語ですわ。実在の宿屋と姉妹を題材にしたとのことで、発売当時は少し話題になったそうですが…今ではすっかり忘れ去られてしまいました…。ですが…私も拝読しましたが、素朴で心温まる素敵な物語でしたわよ。」


なにそれ。ピッタリじゃん!!

他の人と被る心配もないし!



「・・・それにする。」

「はいっ!」

「ぐぬぬっ…」


私の答えに満面の笑みで答えるカトリーヌちゃんと、悔しそうなローズさん。



「ふふ〜んっ!やっぱり…フォニア様の事をイチバン分かってるのは私ですわね!」

「ふ、ふーん…だぁ…。そ、それじゃあ…せいぜい包装と発送の手続き。お願いしますね商人様!!私はその間、お嬢様のお茶のお世話が有りますから!!」

「お、お茶なら私と…」

「あなたには仕事が有るでしょっ!()()()()()が!!」

「な、なによー!!」

「なによっ!!」


ロティア。

喜んでくれるかなぁ・・・

お知らせです!


以前、活動報告で書かせていただきましたが

お話のストックに余裕ができましたので次週(林檎のカレンダーは月曜始りなので、“明日以降”)から週2回投稿に増やします!!


どんどんパフパフー!!



投稿頻度は↓


木曜日 1話

日曜日 2話


合計:3話/1週間


の、ペースとさせていただきます!

時間は今までと変わらず。


つまり、次回投稿は・・・次の木曜日

引き続き、ご覧いただければ幸甚です。


ご評価・コメント・ブクマ・いいね!

頂ければ、もぉ~っと頑張れます!!


・・・よろしくね ;)

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