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Chapter 011_夏の日。放課後。仲間と共に。

林檎です。


ちょっと漢字ミスがあったので改訂しました。

・・・よろしくね(21/12/10 22:50)

一部、誰の発言か分かりづらい場所があったのでセリフを書き足す改訂しました。

・・・よろしくね(22/03/30 10:30)

「ふぅ~っ………うん…よし!おしまい。」

「・・・ありがと。」

「色はどうする?」

「・・・何色がいいかな?」

「そうねぇ~…」


ある、暑い夏の日。



「フォニアちゃんなら黒じゃないの!?黒!!」

「う~ん…でも…。この制服だと黒は重たいんですよねぇ…」

「うふふっ。フォニアちゃんの制服、爽やかだもん…ね!」


前期試験の結果発表の時期だけど、みんなテストの結果よりお休みの予定の方が気になる・・・そんな、浮足立った放課後。



「服に合わせるなら…白?」

「白…悪くないんだけど、なんっかなぁ…」

「じゃあ…青かい?」

「アランの言う通り、青系もいいんだけど…コレットと被っちゃうから、つまんないのよねぇ…」

「えぇ~っ!?…お、お揃いになれると思ったの…に…」


私はいつもの様に火魔法研究会の部室で仲間とお喋りしていた。

話題は夏休みの予定とか。下町(しもまち)で行われる【星月夜祭(ほしつきよまつり)】という夏祭りにみんなで行こうね!とか。秋に行われる文化祭の準備をどうしようか?とか・・・

そんな。取り留めのない事ばかり。



「制服の時点でお揃いじゃない!う~ん…フォニアはどうしたい?」

「・・・おまかせ。」

「相変わらずねぇ~…。そんな事言ってると…トラ柄にしちゃうぞ!?」

「・・・それは・・・ちょっと・・・」


学園の夏休みはとても長い。金海の月の半ばから星火の月の終わりまで・・・なんと50日間もあるのだ!

こんなに長いのだから、みんな実家に帰るのだろう・・・と、思うかもしれないけど、実はそうでもない。

私達の中で実家に帰るのは、コレットちゃんとチコ君。あと・・・エミー先輩(もっとも、エミー先輩の実家はエディステラなんだけど・・・)と・・・今、この部屋にはいないけど、ルクス君も帰るとか言っていたっけ。

だから、帰郷組は4人で・・・帰らないのが私。ナターシャちゃん。アラン君。ターニャ先輩の・・・4人。



「う~む…無難にピンクで良いんじゃないかしら?」

「さっすがエミー先輩っ!それ↑いっただっきま~す!!えぇと…ピンクピンク…ピンクベージュにしようかな…」

「さすがナターシャちゃん。マニキュアもすごい種類持っているよね…」

「趣味ですから~っ!…それじゃ、塗るわよ~!」

「・・・ん。」


学園全体で見ると帰郷は少数派。大半の生徒が夏休みも寮で過ごすのだ。



『ペタ…ペッ…ペクュ…』


「…」

「・・・」


帰郷しない理由は・・・交通費だけでひと財産飛んじゃうし、リブラリアの広大な大地を移動すると夏休みを全部使っても行き来だけでお休みを使い切っちゃうから。

私も家族に会いたいし、帰れない事も無いけど・・・僅か数日の為に数十日もかけて行くのも・・・ね。



「はぁ…///制服の女の子が2人、夕陽に染まる研究室で手に手を取って…み、漲ってきたぁぁぁっ!!」

「ターニャ…変態発言は止めなさい…」


そんなわけで今年の夏休みは畔邸で過ごす事になっている。

と言っても、ナターシャちゃん達がお泊りに来る日もあるし・・・カトリーヌちゃんのお家にお泊まりに行く日もある。ベルナデット様と会う約束もあるし・・・

寂しい夏休みじゃ、ないよ。



「はぁ~…それにしても本当にかわいいわね。その制服…セーラータイプ…だっけ?…そっちも買おうかしら?」

「エミー先輩のブレザータイプも可愛いです…よ!私はそっちも持ってる…し!」

「うふふっ…。ありがとコレットちゃん!こんどお揃いで着ましょうね!!」

「私も買っちゃおうかなぁ?最近じゃ、みんな着てるし…私もエミーとお揃いになりたいよぉ!」

「ターニャったら、そんなこと言って…どうせ、すぐに楽な服に着替えちゃうでしょ!?」

「そ、そんなこと無いやいっ!」


そうそう。さっきも少し話したけど・・・星火の月の始めには7日間通しで【星月夜祭】というお祭りが行われる。

このお祭りは、異世界島国の夏祭りに似ていて・・・街角に屋台が立ち並び、パフォーマンスをする人やダンスを踊る輪が生れる楽しいお祭りだ。

特にここ、エディステラのそれは世界最大規模で下町は昼も夜も大騒ぎだとか。

んふふっ。今から楽しみだなぁ・・・



「・・・恵土の月の終わりに冬服も出すよ。」

「ふぇ!?ふ、ふゆふ…く!?」

「何それ!?初めて聞いたわよ!」

「・・・始めて言ったし。・・・冬服は、黒セーラーと臙脂(えんじ)ブレ」「ちょ、ちょっと待ってフォニア!?え、臙脂っ!!!???今臙脂っつった!?」

「・・・臙脂と言った。」

「こ、今回も…紡歌ブランド…だよね?」

「・・・もちろん。」

「買った!!臙脂ブレザー買った!!グッジョブ、フォニア!!」

「臙脂のブレザーなんて…ステキ!勿論私も買うわ!」

「私もー!!」

「・・・どうも。・・・その色に決めたのはグランドマイスター・・・錘様だけどね。」

「錘様ぁ~~~!…神っ!!」

「…フォニアちゃん。男物も…?」

「・・・もちろんあるよ。」

「…買った。」

「あ、あれ?…お、女物じゃなくていいの?チコ君?」

「…両方買う。気分で変える。」

「そ、そうなんだ…」


「わ、私は両方見てから買おうか…な。…黒のセーラータイプも気になるし…」

「ボクもそうしようかな…」


と、言っても。遊んでばかりもいられない。

スナイパー部隊の訓練があるし、なかなか捗らない錬金術もやりたい。



「それにしても、紡歌ブランドって超一流なのに…そんな所と繋がっているフォニアちゃんは流石だね…」

「伝説の錘様の名前もあっさり出てきちゃったし…ね…」


好評発売中の異世界島国風制服(学園には一応、制服があるんだけど「作業着みたい」と人気が無くて・・・私服で来る人(私服も認められている)が殆ど。なので、錘様にお願いして制服風私服を作ってもらった)の試着会もあるし・・・


・・・そうだ。



「・・・恵土の月の始めに試着会やるけど・・・来る?」

「「「「(…)行く(わ)!!」」)」


「し、試着会!?も、もしかして…紡歌に!?も、もしそうならボクも行ってみたいな…」

「…伝説の錘様と会える?」

「・・・もちろん。」

「す、すご…いっ!!…わ、私もいけそうなら行ってもいいか…な!?」

「・・・もちろん。」


モデルが増えればグランドマイスターも喜ぶ。

学園生がぞろぞろと壺を歩くのはどうかと思うけど・・・お願いすればリリさんとジャナさんが護衛をしてくれるはず。次行くときに相談しよっと!



「楽しみだねぇ!アトリエ見学っ!アトリエ見学っ!!」

「ターニャ…私たちは実習(学園3年生の恒例行事。星火の月をほぼ丸々使って、近隣のダンジョンへガチキャンしに行く。)があるから…たぶん、行けない(実習期間は伸びることが多い。)わよ。」

「!?…そ、そうだったー!!」


先輩たちは・・・残念。



「…はい。おわりよ。」

「・・・ありがとナターシャちゃん。・・・相変わらず上手。」

「ふふふっ!…それにしても、改めて見ると…フォニア。あなたいっぱい指輪嵌めているのね?…イチ、にい…」

「・・・全部で7つ。」

「7つも!?」

「フォニアたんは指輪が発動子…だっけ?」

「・・・ん。・・・ソロのアンサンブルに便利。」

「普通、同時行使しようなんて思わないわよ…」

「そこは…ほら。魔女様だし?…でも、指輪が発動子って珍しいわよね。それで火魔法行使して…火傷しちゃわないの?」

「・・・慣れかな?それに、短剣使う時もある。・・・自分でも珍しいとは思っているけど、色々試してこれが一番しっくり来た。・・・コレットちゃんのも珍しいよね。」

「確かに!」


「わ、私のは…臨理のお祝いにお父様がプレゼントしてくれたものだ…よ。」

「そ、それはいいけど…なんで傘?」

「私が雨の日に生れたから…かなぁ?…たまたま、なんとかベアっていう珍しい魔物素材が手に入ったから職人さんに作ってもらったって聞いたけ…ど…」

「へぇ…これ、魔物素材なのね!?見た目はツルツルなのに、触るとザラザラしてて…不思議…」

「弾力性もあって、防御力もとっても高いんだ…よ!先端で突き刺す事もできる…し…」

「なるほど…」

「うっ…意外と重いのね。コレットってば、力持ち…」

「は、恥ずかしい…よ///」


「・・・発動子と言えば、師匠の・・・」

「「「なになに!?ローデリア様の話!?」」」






この日のおしゃべりも・・・結局。私のお腹がクークー鳴くまで続いたのだった

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