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異常図書焼却課アーカイブ  作者: 稲生葵
5/42

異常図書140F-7-7[満開さくらは散りませんッ!!11.5]

分類:召喚媒体

人気推定値:10vol

状況:掲載物の完全削除。原稿・筆者行方不明/休載

発見時の脅威1:召喚/黒 儀式完遂の強い疑い

発見時の脅威2:傷害/黄 物損と軽微な人身傷害

現在の脅威:召喚/黄 潜在的な危険


作品の概要

 2015年4月から筆者のWEBサイトで連載されていた、主人公の満開さくらが「彼」の心を掴むために様々な恋のおまじないを試す様子を描く王道ラブコメ漫画。

 異常図書140F-7-7は、その11.5話(番外編)である。


異常の発現

 異常図書140F-7-7が掲載された3分後に、異常を発現したと思われる。WEB上だけでなく、個人で保存していたファイルまでもが同時に消失した。

 この際にハードディスク、半導体メモリをむしり取るように破壊しており、読者の脳にも軽微だが同様の損傷を与えている。

 不完全ながら復元できたデータ、被害者への聴取、発生した現象からの推測になるが、異常図書140F-7-7は、満開さくらの召喚を企図し、成功した可能性が疑われる。


付記

 被害者の脳損傷は異常図書140F-7-7を記憶した部位に生じたものと思われるため、証言が取れた被害者が少なく、取れたとしてもかなり曖昧になっており、本報告書はまったくのデタラメに基づいている可能性があることに注意してほしい。


発見と対応

 パソコン、サーバーの大量故障事件と、原因不明の脳損傷患者が発生した事件の調査過程で存在が浮かび上がってきた。

 筆者と満開さくらの捜索を開始すると同時に、損傷によって失われた部位が発見されていないことから[召喚料]であると見て、失われた重量の調査を行った。

 確認できたのは37.2kgだが、証拠品が廃棄されたために未確認になっているものも原因が異常図書140F-7-7だとすれば、約55〜65kgが失われた計算になる。

 これは女性の平均体重に近い値であり、我々の推測に一定の裏付けを与えるものである。


異常発現の原因

 不明。

 異常図書140F-7-7が異常発現の鍵であったことは間違いないと思われるが、1〜11.5話まで揃って初めて異常を発現する異常図書であったのか、1〜11話は召喚料を稼ぐための手段として用いただけで、異常の発現には11.5話さえあれば良いのか、詳細なメカニズムが検証できていない。

 データの復元が絶望視されているうえ、筆者と原稿データも行方不明になっているため、原因が究明できる可能性は極めて低いと言わざるを得ない。


現状

 筆者と満開さくらを捜索中。

 満開さくらの危険性は低いと思われるが、筆者が新たに異常図書を制作する恐れがあり、潜在的な脅威となっている。

 召喚に成功していた場合、満開さくらは筆者の恋人、配偶者、または娘という扱いになっているものと考えられるので、不動産契約、宿泊施設、レジャー施設、婚姻届等の監視を継続している。

 また、WEB上で異常図書制作の依頼を受け付ける可能性を考えて、画像投稿サイト、SNSにも監視を置いている。

 筆者WEBサイトはトップページ以外のファイルが存在せず、SNSアカウントも削除されている。→SNSアカウントを新たに取得した疑い。


追記1

 SNSに投稿された写真で満開さくらと特徴の一致する人物を捕捉。██県██市の花火大会に筆者と参加していた可能性がある。←人違い


追記2

 SNSで筆者のものと思われるアカウントを確認。ひたすら惚気話を書き込んでいるが、発信元が特定できない。

 ███市で20██年7月28日に行われた夏祭りに参加したことを示唆する投稿を発見。しかし、当該イベントの監視データに姿が見えない。→召喚時に満開さくらの外見特徴が変化した?

 ソーシャルハッキングによる捜査を申請中。


備考

 我々は、この異常図書が恋人を召喚したものと考えてきたが、それにしては捜査が難航しすぎている。

 もしや、この異常図書は俺の嫁シナリオではなく、人魚姫シナリオで生成されたもので、満開さくらは、なんらかの超常存在なのではないだろうか?

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