~世界の、俺のバランスは狂っている(説)~
プロローグ
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁAAAAAAAAA--------!!!!!!!!!!!!!!」
本来なら人気のない森の奥、されど静寂を打ち破るかのように少年の絶叫が森中に響く。それもそのはず、
なんてったって今、彼は地上300メートルの断崖から現在進行形で絶賛紐なしバンジー中なのだから。
「ああ、俺の第二の人生をいとも簡単に断ち切ろうとする女神よ。我を救いたまえぇぇ・・・」
なぁにカッコつけてんだ、と自分にツッコミを入れつつも、少年は焦っていた。なぜって?
あと地面まで10メートルもないのだから。
「まいったなぁ。あいにく俺は魔法適性値が0だしなぁ・・。えぇい、もうダメ元でぇい!」
急に(エセ)江戸っ子になりつつ、彼が取った行動はただ一つ。彼の足が地面につくと同時に両足に力を込め、思い切り飛ぶ。すると500メートルをゆうに超すであろう高さまで飛び上がる。
「う~わ、ちょっと自分でもこれは引くわ・・・。俺、いったいどうなるんだろ・・・」
彼がこうなったのにもわけがある。しかし、うん、ダサいのである。事態は一年ほどさかのぼる。
その時彼はラブ〇テルにいたわけなのだが…。