第4話 嫉妬
(読んでくれてはいるのね。でもなんで返事返ってこないのかな……)
秀がどんな気持ちでLINEを読んでいるのかと思うと、心配でならない。あまりしつこくするのも嫌われそうなので、LINEは止めた。
和葉は決めた。明日思いきって話してみようと。
(大丈夫……幼馴染みだもん。きっと何か言ってくれるはず!)
ベッドの中で布団を頭までかぶり、そう思った。色々思いにふけった後、和葉は眠りについた。
次の日、学校に着くと、和葉の耳にこんな言葉が入ってきた。
「ねぇ、児島君てさ、カッコいいよね~」
クラスメートの、ちょっと不良っぽい女子達が、そう言っていたのだ。
(……)
和葉は複雑な気持ちになった。それはそうだろう、と和葉も思った。秀は容姿端麗、スポーツ万能、成績優秀というパーフェクト男子だ。あんなパーフェクト男子が、放っておかれるはずがない 。女子達が目をつけたのだ。
じわじわと、和葉の心に嫉妬の念が生まれる。和葉自身は気づいていない。心にモヤモヤとした焦りを感じた。
そんなパーフェクト男子に対して和葉は、顔はまあまあ、スポーツ普通、成績普通といういわゆる普通の女の子だ。そんな和葉と幼馴染みなんて、釣り合わないと周りに思われるかもしれない。
「なんか影があるところもいいよね」
「ホントカッコいい、王子様みたい」
耳を傾けてみると、色々な女子がそう言っている。
(むむ……秀は、私の幼馴染みだもの……!)
自分が嫉妬してることに、少し自覚が生まれたようだ。
(仲が良いのは今のところ、私だけだし、秀のことよく知ってるのは私なんだからね……!)
秀の噂をしている女子をキョロキョロと見ると、フン、と少し不機嫌になり、自分の席についた。
秀が登校してくる。秀が教室に入ると、女子2、3人が積極的に挨拶する。相変わらず表情が暗い。