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想い出のバラ園  作者: 月野メグ
3/10

第3話 かつての想い出

(わ、バラだ、キレイ……)

和葉の好きなピンクのバラだ。基本的に花は好きだが、中でも特別に好きだった。和葉は立ち止まって、バラの花に見入っていた。加奈は和葉が何を見ているのかわからない。立ち止まった和葉を見て、キョトンとしている。

つるバラは、美しくきらびやかに咲いていた。

(そういえばずっと昔だけど、秀とバラ園に行ったなぁ。覚えてるかな?)

幼い頃、親も付き添いで秀とバラ園に行ったことがあった。幼い和葉の目には、とにかく美しく、可愛らしい花に見えた。色とりどりのバラ園の中を、秀と走りながら見て、美しさに酔ったのを覚えている。子供の頃から心に焼き付いて離れない、大切な想い出だ。

(秀、どうしたんだろう?私にも言えない悩みがあるのかな……)

和葉は目を細め、そっとため息をつく。

「ねぇ……和葉、何見てるの?どうした?」

「え?あ、ううん、何でもない。ごめんね」

和葉はそう言うと歩きだした。たくさんの花びらが舞う道の中、二人は歩いていった。


(そうだ、LINEで聞いてみよう!)

和葉の風呂上がりの黒いロングの髪に、水がしたたり落ちる。タオルでわしゃわしゃと髪を拭く。下着とパジャマを着ると、2階の自分の部屋へ行く。肌のお手入れと髪を乾かすと、スマートフォンを手に取った。現代にはLINEという便利なツールがある。直接聞くのは気まずいので、LINEを使って聞いてみようと和葉は閃いたのだ。

(え……と)

指で素早く文字を打つ。

《今日、元気なかったね。どうしたの?》

1、2分すると、すぐ既読マークがついた。やった、秀は見てくれているのだ。

(返事返ってこないかなぁ……)

そわそわしながら、和葉は待つ。が、10分、20分経っても返事は返ってこない。また指で、文字を打つ。

《秀?一体どうしたの?返事ちょうだい》

また1、2分したら既読マークがついた。しかし返事はいつまでも返ってこない。

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