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想い出のバラ園  作者: 月野メグ
2/10

第2話 秀の影

和葉が少し呆け気味にそう言うと、加奈は笑顔を崩した。

「どうしたの?元気ないよ?」

心配そうに加奈が言うので、和葉はためらった。

(言ってもいいのかな……)

明るかった頃の秀とはうって変わって、あの影を落とした表情ーー生気の無い目が、和葉の脳裏にちらつく。秀の身に何かあったのか。和葉は心配でたまらなかった。加奈は親友だし、信用できる。話しても秀を傷つけることはしないだろうと和葉は思い、加奈に話した。

「え、児島君がおかしい?」

「そうなの……」

和葉は物憂げに話す。

「児島君て和葉の幼馴染みでしょ?確かに雰囲気変わったかも」

「でしょ?」

和葉はそう言うと、フゥとため息をつく。加奈は、秀を心配する和葉に思うところがあったのか、こう言った。

「……児島君のこと、好きなの?」

「え!?」

加奈の口から思わぬ言葉が出てきたので、和葉は取り乱し、顔と耳まで真っ赤にした。

「わ、わかんない、そんなこと……。ただ、秀とは何でも話してきたから、心配なの」

和葉の心情を汲み取ったのか、加奈は控えめに笑顔で言った。

「そっか、心配なんだね」

「そ、そうだよ、もう……」

和葉は熱くなった頬に手を当てて、冷まそうとする。

フワリと、加奈の顔に桜の花びらが落ちる。

「あ、加奈、桜が……」

和葉はそっと手を出して、花びらを取った。

「ありがと。それにしても、桜キレイだね~」

「ね、ホント……」

桜の花びらがあちらこちらに舞っている。歩いていると、和葉は道沿いにある家のベランダに、たくさんのつるバラが咲いているのを見つけた。

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