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運命の分岐

―――――


『やること多すぎてまず何をすればいいのやら・・・』


ハルは少し迷っていた。

思っていた以上に出来ることが多く、何から手をつければいいのかが分からくなっていた。


『とりあえずテリトリー拡張でもしてみようかな?』


そう言うとポンッという電子音が鳴り、目の前にテリトリーの様々な情報が表示される。


―――――

テリトリーレベル 1

・テリトリー内のモンスター数 0

・テリトリー内で手に入るアイテム

*薬草 *解毒草 *石 *鉄鉱石 〜全て見る

・※テリトリー拡張

・所持TP 0

※テリトリー拡張はテリトリーレベル2から可能

―――――


『あ、今はまだ出来ないのね・・・』


少ししょぼんとしなら説明を見る


―――――

・テリトリーレベルはテリトリー内で採取を行ったり、プレイヤーやモンスターを倒すと上がります。レベルが上がるとテリトリーの範囲が広がったり、テリトリーの数を増やす事が出来ます。

また、他のテリトリーには先に主がいる場合があり、主を倒すことが出来るとテリトリーを手に入れる事が出来ます。

・テリトリー内のモンスター数とは、そのままの意味です。

また、稀にレアなモンスターが現れる事があります。

・テリトリー内で手に入るアイテムとは、そのままの意味です。

テリトリー内では、様々な物が手に入ります。

自生している物は取りすぎると手に入らなくなる事があります。しかし、石などは時間により湧くので、いくら拾っても一定数以下にはなりませんが、鉄鉱石などの用途の多い物は数時間に数個程しか湧きません。

薬草などは自生しているので、無くなることがあります。一日に採取するのは五つか六つにしましょう。

・テリトリー拡張とTPについて

テリトリー拡張はテリトリーポイント(TP)を使い、テリトリーに直接干渉する事が出来ます。

―――――

『ふーむ・・・なるほどねぇ・・・』


そう言うとまた幾つかやる事を決める。


1、霊体で街に行く

2、テリトリー内でアイテム採取

3、軽く回復するまで散歩


この三つでまた迷った末に、


『どっれっにっしっよっうっかっな♪神様の言う通りー♪』


もはや適当に決めていた。

そしてハルの指が止まったのは、


『街に行くでけってー!』


2で止まっていた。


『そう言えばどうやったら行けるんだろ・・・?』


そう言いながら寝床にした大樹の下に行くと、ポンッという電子音と共に選択肢が現れる。


――――

・寝る(宿屋機能)

・街に行く(霊体のみ)

・ログアウト

・セーフティエリアの使用

――――


『お、あったあった♪』


ハルは迷わずに街に行くを選択する。


―――テリトリーをセーフティエリアにする事無く・・・


―――――


「はぁ・・・はぁ・・・ここどこなのぉ・・・」


泣きそうな声で呟くのは黒髪の少女だ。

肩まで伸びた黒髪はボサボサで、大きな目には涙が溜まっている。

見るからに初心者だと分かる装備をしていて、腕にはサモナーの証である腕輪をしている。


「赤いクマに追っかけられてみんなやられちゃうし・・・走って逃げたから道も分かんないし・・・」


少女は手に持っている木を削っただけとおぼしき杖を握りながら進む。


「―――かえりたいよぉ・・・」


そう言いながらも足を止めない。


―――街とは逆の方向に進んでいるとも知らずに・・・


―――――


「・・・キレイな場所・・・」


しばらくして少女が辿りついたのはプレイヤーに救い池と呼ばれる場所だ。

なぜ救い池というかと言うと、あまりモンスターが現れず、薬草などが自生していて、更には中級者がよく通る為、初心者がたまたま辿り着くとよく救われることからそう言われている。

少女はそんな事知らないのだが・・・


小さな滝からは池に水が流れ込み、そよ風が木々の間を通り抜けて葉を揺らす。

光の差し込む池は澄んでおり、小魚が泳いでいるのが見える。

そして池の傍に佇む大樹の下には・・・


「!?」


―――黄金の狼が横たわっていた・・・


「――寝てるのかな・・・?」


少女は危険だと思いつつもゆっくりと近付く。おとぎ話に出てくるような場所とそこに横たわる黄金の狼に目を奪われてしまっていた。


ゆっくり、ゆっくりと近付き、すぐ横まで行くとしゃがみ込んで手を伸ばす。


「あったかい・・・それに、ふかふか・・・」


泣きそうだった表情はもう無く、ふんわりと微笑みを浮かべる。

そして少女は考える。


「この子をテイム出来たら・・・街に帰れるかなぁ・・・?」


そう呟くと何かを決意したように小さく頷き立ち上がる。


そして杖を軽く振り、狼を叩く。


「・・・」


起きないと分かると何度もポコンッポコンッと叩く。


「ごめんね・・・起きないで・・・起きないで・・・」


そう言いながら少女は杖を振り続ける・・・


―――――


『おぉぉぉぉ!街だー!やったー!』


ハルはかなり興奮していた。

モンスターの姿では門前払いどころか殺されかけ、挙げ句の果てに満身創痍で逃げるという屈辱を受けたが、はじめに考えていた街に行く事が出来て達成感を少し、いや、かなり感じていた。


『ってあれ?街に来ても何すればいいんだろ?』


ハルは全てではないが、空いている時間に図書館の本をほぼ読み尽くしているし、タルルは最初の街であり、ハルはそこそこには上位のプレイヤーなので街を見て回る意味もない。


『あっ、そう言えばヒロと待ち合わせしてたっけ・・・』


色々あり過ぎて時間も経っている為、居ないだろうとは思いつつ、待ち合わせ場所に向かう。


―――――


「おおおおお!お兄さんの筋肉凄くいいね!」


「ハッハッハッ!嬢ちゃんもわかるかい!この筋肉の良さが!」


「だから男だっての!いやぁこの上腕二頭筋とか惚れ惚れするぜ!もはや抱いてくれ。」


『・・・』


目の前の状況を説明するならば、

公衆の面前。噴水の前で筋肉ムキムキのマッチョマンが中学生くらいの女の子に自分の肉体美を見せ付けているのだ。

更には女の子は実は男であり、目をキラキラさせながら筋肉を見ているのだ。


そして女の子・・・もとい男の娘はハルの親友であるヒロである。


「ハッハッハッ!これとかどうだ!」


「なんつー僧帽筋だよこれ!ゴリラも真っ青だぜ!」


『・・・ヒロ』


ハルはというと、そんな親友に少し引き気味に聞こえないと知りながら声を投げかける。


「ん?ハルか!!」


『うぇえ!?』


霊体で見えないはずなのにピンポイントでハルのいる場所に向かって飛びかかり、


「ぶふっ」


そのまま地面に顔から突っ込む。


「あ、あれ?ハルが来たと思ったんだけどなぁ・・・」


そう言いながら立ち上がりすまんすまんと言いながら筋肉ムキムキマッチョマンの方を向くと、そこにはもう姿は無かった。


「いなくなったし(´・ω・`)」


『ハァ・・・』


ハル来なそうだし、ひとりで行くかーと言いながら噴水の前から立ち去る親友に、ハルはため息を付きながら、これからの事を考えるのだった。


――――――




すみません、この話書いた時に何度も投稿しよう

とする度にミス操作で消してしまい、萎えてました。

次話投稿まで時間が開き、申し訳ないです

m(_ _)m

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