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人は十ニ騎士を結成出来るか?

「というわけで、あなた達に協力してほしいの。ほら、ディアちゃんからの指令書もあるし」

 理事長室に僕達666号室の4人にダアトちゃん、そして変態ユウ君とアダカさんにイアリちゃんダリアさん主従、アリスちゃんの計10人が集められたのは、吸血鬼の討伐部隊を結成するためだったらしい。いきなり「というわけで」から始められて、命令書を読まなければ何のことだかわからなかったけど。

 まあ緊急召集の理由はともかく

「エキドナさん、ディアさんに許されたんですか?」

「みっちり怒られた後に、これで帳消しと言われたわ」

 なんだかんだいって、ディアさんはエキドナさんの若さ(若いとは言っていない)故の過ちを許すつもりらしい。

「……それでエキドナ殿、何故にわたし達が吸血鬼の討伐に駆り出されたのだ? ……明らかに向いていない者が何人かいるのだが」

 そう言ってドラグさんは、いつものようにセクハラを繰り出してはダリアさんに刺さていれる変態ユウ君とそんな変態ユウ君を保護しようとするアダカさん、僕の両肩と背中と膝にしがみつく……というか四方を囲むダアトちゃんイアリちゃんアリスちゃん真理ちゃん(順不同)の4人をチラリと見て……

「……遊びに行くのか?」

 ズバッと一刀両断である。本当に容赦のない一言であった。

「私も同意見ですの。私とママ、そしてドラグ以外に……鉄の強さも鋼の意思も感じられませんの」

 ミラさんも、僕の膝の上で真面目そうなフリだけをするダアトちゃんを主に見ながら言った。

「……なにかしら、ミラ? ワタシがふざけてるように見えると言うのかしら? これはただ、小杉ユートの上に乗るのが楽し……もといこのポジションがワタシが話を聞くのに一番良いポジションだから、仕方がなく乗っているというだけよ」

 さっきまで嬉しそうに乗っていた癖に……ダアトちゃんは嘘つきだ。

「そっか。じゃあドラグの膝でも良いよね? だからそこを退いてくれないかなぁ?」

 流れるように僕の膝をダアトちゃんから奪い取ろうとする真理ちゃんは策士だ……

 というかダアトちゃんの了承どころか僕の了承さえ(ダアトちゃんもダアトちゃんで、有無を言わさず座ったという状態だったが)無く、自然にダアトちゃんの居場所を下側から奪っていった……

「あのさ、さすがに2人は重いんだけど?」

「だってさダアト。ユートが重いってさ」

「神河真理、後から強引に入ってきたあなたがそこを退けばいい話じゃないかしら?」

 アリスちゃんとイアリちゃんも、乱入してこないというだけでこの2人も僕への密着具合でいえば十分ダアトちゃん達に匹敵するレベルだった……

「…………おにいちゃん……」

「…………ですわ……」 ……仮にも、そこそこ重要な会議で寝るとは……まあ、2人の眠りたい気持ちも十分に分かるが。

「…………なるほど、だいたい分かった。エキドナさん、一つお聞きしてもよろしいですか?」

 変態ユウ君がいつの間にか綺麗なユウ君と化していたのだが、頭でも打ったのだろうか?

 もしくは、少年ながらも中身と中の人が入れ替わったのだろうか? ……いや、少年だろうと少女だろうと中身が入れ替わるわけないだろうが。ファンタジーやメルヘンじゃああるまいし。

「ボク達は吸血鬼を成敗するために集められた11人の戦士というわけですよね? でも、その司令書には2部隊12人の部隊で行くと書いてありますよね? ……それじゃあ、あと1人は誰ですか?」

「誰だ貴様!? 変態ユウに化けても無駄だ! 奴は変態だから、偽物なら即座に」

「…………、それとエキドナさん、産ら」

「本物だな、散れ」

 マトモなら心配され、変態に戻ったらシバかれる。変態ユウ君の扱いはいつも通りの酷さだった……

 変態ユウ君なら仕方がないと思えてくるのだが。



『一度刈りては一つ灯し』

 首無の馬に騎乗している首無しの騎士が襲いかかってきた吸血鬼の首に鎌を突き立て呟く。

『二度刈りて2つ灯し……』

 背後から襲い来る吸血鬼の腹を切り裂き、呟いた。

『三度刈りて3つ灯す』

 三振目は前方から迫っていた吸血鬼の首にめがけて振り下ろされた……

『嗚呼、戦場とは無情な物だ……リリス殿』

「……然りねデュラスちゃん」

 デュラスの影に潜んでいたリリスが、吸血鬼が全滅したのを確認して、ひっそりとデュラスの背後についた。

「はい、デュラスちゃんの首」

「……かたじけない」

 リリスから自身の首を受け取り、首を軽く回しながらデュラスが御礼を言った。

「リリス殿、必ずや小杉遊斗達と共に吸血鬼の反乱を鎮圧して見せる」

「……みんなで無事に帰ってきて頂戴ね。特に……」

「…………?」

「……いえ、なんでもないわ。いつも以上の武功を上げてくれることを祈っているわ」

「……承知した」

 妙に言葉に迷った様子のリリスを訝しみながらも、若い頃からの盟友である仲だからか、デュラスは何も気にせずに馬の腹を蹴り、吸血鬼の館に向けて駆けていった……

「…………どうしたのかしら」

 デュラスを見送った後、数十分間自身を着けてきた蝙蝠へと振り返り、呟いた

「………………」

「なるほどね。それじゃあ…………」

 蝙蝠の超音波に合わせたのか、他人には聞こえない声で蝙蝠に対して呟いた……


僕は聖騎士よりネクロの夏派です(意味不明の半ギレ)

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