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ママエキドナといっしょ

「うーん……さっきから私を倒しにくる子達、骨が無いわねぇ……骨抜きにされて屠殺されるためにでもやってきたのかしらねぇ? その割には、尻尾巻いて全力で逃げちゃったけど」

「あのですねぇ……今ので何組目ですか!? というかたった3時間ぐらいでのべ40人のパーティーがやってくるなんて、エキドナさん他にも何やらかしているんですか!」

 1つのパーティーが全て4人編成だったのであれば、まだ一応問題は少ない。それでも20分程度に一組は来ている計算なのだが。

 だがしかし、のべ40人のうち半数近くの人は3人以下、酷い人はエキドナさんとお友達にでもなりにきたのか一人ソロで瞬殺されにきている。おおよそ腕に自信のあったのであろう冒険者が2、3人いた以外は全て駆け出し冒険者であった。ラミアと間違えたのだろうか?

「ダーリンとの愛の巣を準備するために、近くの村に脅しかけちゃった、テヘッ☆」

「テヘッ☆じゃなくて! この勇者さんコンコルドさんがと魔王ディアさんが人間と魔界の仲を取り持った御時世に! どうして! こんな重大な問題を! 起こしたんですか貴女はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

『……聞こえたか? 今少年の声がしたぞ』

 飛んで火にいる旅の人が再び現れてしまったようだ……まるで悪の組織の戦闘員のような、勝てるはずもない相手と戦おうとする健気な努力に、涙を禁じ得なかった……

 ……ちなみに、次の4人の烏合の衆パーティーは尻尾の凪払い一発、5秒で壊滅した。



「……やっぱりあり合わせのパーティーじゃダメ……次」

 エキドナさんに脅迫された村にて、魔王がこの件について快く思って居ないことをアピールするためか、魔王であるディアが直々にエキドナさんを鎮圧する為に陣頭で指揮をとっていた。

 そんなディアに対して俺、勇者コンコルドがやってやれる事はただ1つ……

「すまんな、俺の妻の為に……」

「いえいえ、勇者さんの為なら例え火の中水の中ッスよ」

 旅の中で知り合った仲間を総動員し、ひたすら本隊到着(誰かは知らないが、なんとなく察しはついている)までの時間稼ぎとしてエキドナさんの相手をしてもらっていた……

 ただ、エキドナさんも本命以外には手加減しているのか、少なくとも俺の知り合いではない賞金稼ぎ以外はあまり大きな怪我を負った奴は居なかった。

 ……しかし、いくらディアの嘆願とはいえ知り合いを危険な目に遭わせるのは策としては下の中であったが。

「……コンコルド、ミラに聞いたら、あと30分ぐらいかかるって……」

「……30分か、ならちょっと俺も時間稼ぎに行ってくるか」

 30分フルに足留めは出来なくとも、怪我人を減らすことは出来るだろうと思い、剣を背負い洞窟の入り口へと向かった……

「……コンコルド、そんな装備で大丈夫?」

「…………一番良いのを頼む」

 ……気持ちの問題だろうが、刃のないなまくらだろうと、俺としてはディアの剣の方がしっくり来た……


いっしょ(拉致監禁)


同じ前作主人公である勇者とイズモの扱いに差がある?

……ギャグテイストな苦労をしている勇者と割とシリアス気味な苦労をしているイズモ君の差です。

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