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人は拾った幼神を保護出来るか? その10

「敵前で気絶したから、死亡扱いでとりあえず反省会、といいたいところだけど……とっとと元の世界に帰って、ダアトをひっぱたいて泣かせなさい。反省会は後でよ」

 マジギレした直後であまり覚えていないのだけど、何があったのかわからない内に送り返されそうになっていた。

「……あの、向こうで一体何が」

「…………『禁誘屍人デッドマン』、あいつのせいでイズモが刺されたわ……」

 なるほど、ルシフェルさんが不機嫌なのはそんな理由があったのか……

「それと……ついでに、真理も止めてちょうだい」

「…………分かりました」

「…………イズモ、どうして……」



「……ぁ……、セン……パイ……?」

 目が覚めれば近くに『禁誘屍人デッドマン』の影はなく、ダアトちゃんも真理ちゃんも居なくなっていた……

 起き上がり、周りを見渡せば僕を膝枕していた魔女先輩と、倒れているイズモ君さんにイズモ君さんを全力で治療しているサマエルさん……

 ミーミルちゃんとラトは『禁誘屍人』を追って居るのだろう。

 ただ、真理ちゃんとダアトちゃんはおそらく……

「……ユートはん、とりま今は休んでくれや、な? 時間が無いのはアタシも分かっとるけど、流石に今のアンタを送り出せるほどウチは非情になれんのや……」

「……でも」

「……なんか、ウチの判断に問題があるなら言うてみ? 今のユートはんが言ったら止める間もなく犬死にするのは分かっとるやろ? せやから、せめてあと1時間は寝とりや。その後で…………って、ウチが送っても間に合わんかもしれへんわ! なんでダアトはん、妙な所で気ぃ使っとるんや! 裏目も良いとこやんか!」

 魔女先輩が長々と独り言のように呟いた……とどのつまり、魔女先輩が察知したダアトちゃんの魔力はかなり遠くにあるらしく、1時間も休んでしまったらかなり危ないらしい……

「なになに☆問題発生かな☆」

 とりあえずイズモ君さんの治療をしていたKYには戻っていただきたい。

「シッシッ、アンタはイズモの治療しとりや」

「んー☆最善を尽くしたし、あとは本人の気力次第かな☆ところで、移動手段が必要なのかな☆」

「うーん……ほな、サラマンダーの倍の速さくらいあれば、とりま」

「大丈夫、問題ないね☆」

「問題ないんかい! てか、1時間以内に手配してくれるんか!?」

「5分でくるかな☆生徒会長パシリだし☆」

 ガイギンガさん、哀れ……


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