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人は拾った幼神を保護出来るか? その2

ネタバレ:遊斗死す(12/28)

 しばらくして真理ちゃんが帰ってきたのまではよかった。たとえ1時間ほどメンタルをボロボロにしながら待ち続けていたとしても、明らかにダアトちゃんが不機嫌になっていたとしても、ましてや真理ちゃんがダアトちゃんを見た瞬間ネズミにかじられていたどら焼きを見つけた時のようにあからさまにイラッとした表情を見せていたとしても……いや、最後はちょっと問題有りか。

「小杉遊斗、この神河イズモと似た匂いがする癖してレベル2程度のスライムが関の山な、レアだけど使えない色違い程度の存在感しかないようなこのスライムは何者かしら?」

「ねぇユート、このルシフェルお義姉ちゃんとお兄ちゃんを足して2で割って更にドブ川の水を事故融合させちゃったみたいなこの超若作り()なロリオバサンは誰かなぁ?」

(アカン)

 始まりからして既に世紀末だった。

「…………わたしの名前はダアト、かつて世界を創造した「オバサン」よ………………コロス!」

「落ち着いて! ダアトちゃん落ち着いてよ! あと真理ちゃんは謝って!」

「はいはいマジスマーンマジスマーン」

 なんなのこの2人……イズモ君ダアトちゃんがと敵対していたっていう事を差し引いても流石にこれは仲が悪すぎる……

「あ、ボクは神河真理、ただのスライムじゃなくてゴッデススライムで、レベルドレインされ過ぎて絞り滓程度のダアトちゃんなら左手だけでも勝てるんじゃないかなぁ?」

 良くないなぁ、そんな自己紹介は……

「どうしてあのような兄からこのような無礼な妹が生まれたのかしらねぇ?」

「無礼な妹って誰の事かなぁ? オバサン?」

 もうやめて……僕のライフはゼロだよ……!

「…………ぶっ倒してぶっ潰してぶっ殺してあげるわ!」

「それはボクのセリフだよ〜!」

「2人ともおちついて! 確かにイズモ君より年上のダアトちゃんは真理ちゃんくらいの子からすればオバサンだし、真理ちゃんもかなり無礼だけど」

「「死ね」(ぇ〜!)」

 ……ですよねー

 ……直後、素人目にもわかる恐ろしいエネルギーの発生と、世界が崩壊するんじゃないかと思うほどの轟音を感じ……意識が真っ白に染め上げられた。



「……きなさい……」

 ……ここはどこ? 何があったの……ダアトちゃんと真理ちゃんの喧嘩で、何が起こったの……? 僕の仲裁がマズかったのは流石に自覚してるけど、一体何があってこんな場所に……

「起きなさい、小杉遊斗」

 ……ダアトちゃん? ……にしては身長と顔が大人びているけど……胸の大きさはさほど変わらなさそうだけど。

「起きなさい小杉遊斗!」

「ちゃんと目を開けて起きてたのにどうして蹴飛ばしたの!?」

 返事をしていなかったとはいえ、かなり理不尽な話だ。

「……はぁ、はじめましてかしら? 私の名前はルシフェル。イズモの妻よ」

「はじめましてルシフェルさん……ん? 前に会った気が……あれ? でもまだクリスマスまで2ヶ月以上……? ……あれ?」

「会った覚えは無いわ」

「……え? でも」

「夢と勘違いしているんじゃないかしら?」

 やけに否定してくるルシフェルさんに対して訝しみながらも、話を戻した。

「ところで、ここはどういう場所なの?」

「ここはいわゆる天国……厳密には今あなたのいる世界の……私達天使の中ではセフィラスと呼ばれている異世界ね……中に存在している天界よ」

 天国……つまるところさぁ……

「……ボク、もしかして死んじゃった?」

「まあ、一応死んだわね」

「…………マジですか?」

「死んだという事を踏まえて、ここからが本題よ。私は、諸事情であなたのサポートとダアトの監視を出来ないイズモに頼まれて、それらの仕事を代行する為にセフィラスの天界にいるの」

 ……僕のサポートとダアトちゃんの監視の為……つまり

「……ダアトちゃんが何かしようと企んでいるんですか?」

「いえ、あくまでもダアトの監視は非常時に備えた任務よ。あなたのサポートは……イズモが神の力で死亡フラグをへし折ったりしていたらしいわ」

 イズモ君さんがサポートしていたというのは初耳なのだが……

「とにかく、乾物だとかザコだとか干し茄子だとか色々言いたいことはあるけど、もう一度チャンスをあげるから2人を止めてきなさい」

「え、でも」

「止めなさい(威圧)」

「……頑張ります」

 ここまで威圧的に言われれば、首を横には振れなかった。これも悲しい日本人の性だ。

「今すぐ戻すわよ? 3! 2! 1! タイムタイラント!」

「え、ちょ……!」

 直後、どこかに引きずり込まれるような感覚に襲われ……気絶してしまった。


ルシフェルさんはあくまでも遊斗のサポートなので、次々回以降の出番は控えめになると思います。


え?ダアトちゃんとルシフェルさんの関係?

……ダアト自身が想像した数少ない天使(大半は天使によるスカウト)です、ええ

つまり、イズモはダアトの義理の息子……えっ?

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