人は魔女と頑張れるか
「フッフッフ……あたしがアンタの補習を受け持つ事になったわ、よろしゅうに」
「…………流石に帰ったら駄目だよね?」
放課後……鬼ヶ嶋教官に連れてこられた(行き先に気付いても逃げようという考えはなかった)のは魔女先輩の部屋だった。
大事にならないと良いですね(諦め)
「せやかて工藤」
「なんで工藤? っていうか……なんで関西弁なの」
「今はそんな事はどうでもええんや。重要な事やない」
今日はやけに皆にはぐらかされる日の気がする……
朝にミラさんが言葉の途中で二度寝して、昼にはシーホースさんに誤魔化され、今は魔女先輩にはぐらかされた。
これも全部妖怪の仕業なんだね! 狼男、許さないよ!
「はてさて、まずはアンタの魔力値をチェックするで! キスとボディタッチどっちがええ?」
「…………ボディタッチ」
「っしゃ! 来た!」
……触られていた時の事はあまり覚えていない……
ただ、これだけは言える。
覚えていない方がむしろ幸せ。これだけは間違いないだろう……
「あぁ^〜ホンマに幸せやわ〜」
ヘヴン状態でほぼイキかけている魔女先輩を見る限り、本当に覚えていなくて幸せだったと思う。
「ああ、そういやユートはんの潜在魔力やけどな……79200や」
「……はい?」
「一般人の魔力が5前後でこれや。おめでとう、アンタの魔力量はあたしの予想を遥かに凌駕しとるわ」
「…………え〜」
「まあ、平常時の魔力はせいぜいその66分の1、1200ぐらいやろうけどな……ああ、あたしの平常魔力教えたろうか?」
「割とどうでもいいかな……」
「13000や」
「…………絶対それがやりたかっただけだよね?」
ひょっとしたら関西弁キャラも、キャラ作りの一環じゃないのかと思ってしまった。
「ほんでなユートはん、アンタ……12か13か、そんぐらいん頃に魔物と出会っとらんか?」
「……? 会ってないけど……?」
「なら……そン位の時期の記憶が曖昧とか欠けとるとか……ないか?」
「いや、多分ない……かな? 強いて言えば、溺れたぐらいしか……あとその頃から身長の伸びが止まったり……」
「…………まあ、たまたま魔力がバカみたいに強くなったんやろうな。あと、身長はそんぐらいが一番可愛くてええんやで?」
「一言余計だから」
魔女先輩の関西弁は一応意味があってやっています。関西弁である絶対的な理由はありませんけど。
先輩「なんでや!」