人は強き勇者に成れるか?
A.タイトル詐欺になるため……もとい、基礎的な身体能力が低いため無理です。例えるなら、序盤のスライムがラスボスに下剋上するぐらい無理です。余談ですが、真理とディアボロスさんではあまり大きくない差でディアボロスさんの方が上回りますが。遊戯王で言えばインフェルノイドとネクロスぐらいの差ですね。かなりインフェルノイド贔屓ですが。
「……起きた?」
……あれ、ここはどこ? あなたは魔王?
…………僕が魔王ディアボロスさんに誘拐されたという事はだいたい把握したけど、これはいったいどういうことなのだろうか?
「大丈夫、ミラちゃんの許可は取ってある」
「僕の許可はどうしたの!」
というか、なんでミラさんだけの許可で良いと思ったんだろうか……それ以前に……
「そもそも、どうして僕を拉致したの?」
「コンコルドに頼まれた…………それと、理事長に対してタメ口……別にいいけど」
そう言ってディアボロスさんは僕の頭にチョップしてきた
「……あの、何なの今の……じゃなくて、何なんですかいったい……」
「……あなたはまだまだ未熟者。今の手刀が包丁だったらはんぶんこ怪人みたいに真っ二つだった」
「…………えぇ……」
寝起きで誘拐されていていきなりチョップされていきなり辛辣な評価をするとは、ちょっと理不尽な気がする。というか理不尽だ
「今のあなたの戦闘力を一言でいうと、ザコ。正義の味方に一蹴されて大したことない通常攻撃で爆発四散する戦闘員レベル」
「なんでそんな具体的に言うんですか……というかなんでそんな具体的に例えられるんですか……あなた魔王ですよね? いつのまに日曜朝の特撮番組を見てたんですか……」
「……従弟のガイギンガの部下、フィオナが一晩で繋げてくれた」
「N○Kに怒られますよ!」
まあそれはさておきだ……
「ところで、なんで僕の戦闘力を測るような事を」
「プロジェクト・勇者、此方側の世界を治める魔王と此方側の人間界の偶像である勇者が極秘で進めている計画……」
「はい?」
急にそんな事を言われても、「何が始まるんです?」としか言えない。
「これからあなたの世界にはドゥンドゥン魔人……ちなみに魔人はこちらの魔物の総称……が移り住む事が予想されるの……嫁探し婿探し仕事探しその他諸々の理由で……でも、時にはよからぬ事を考えた魔人が向こうに行ってしまうことがあるの……それを鎮圧出来る人材が欲しいのだけど、コンコルドは|諸事情で(・ ・ ・ ・)魔界を離れられないから、どうしても人手が足りないの。だから……」
「…………僕にその役目をやってもらいたい、ということですか?」
僕の言葉に対して、ディアボロスさんは無言で肯定した。
「せめてミロンおばさ…………ミロンママが襲いかかって来た時に対処出来る程度には強くなってもらわないと……」
ディアボロスさんとしてはあくまでもジョークだったのかもしれないが、僕としては流石にジョークとして笑い飛ばすワケにはいかなかった。一歩間違えばエキドナさんがヤりかねないし。




