人は学を修められるか?その6
予告:本日の枕投げ祭りは中止になります
「今日の枕投げは中止になりました」
……あ、ありのままに今起こっている状況を説明するけど、今日も枕投げをする為にマコトさんとコンコルドさんを置いてイズモ君さんを除く3人で女子部屋に行ったらみんな眠っていて、女子部屋に先回りしていたらしきイズモ君さんに枕投げは中止と言われた。
……大人になるって悲しい事だね、本当に……
「ぼくはただ合法的に女の子の部屋に入りたかっただけなのに……! これが人間のす」
「変態は消毒しなければ……」
「るりぃぃぇぁぁぁぁッ!」
流れるように変態発言をした変態君は即座にダリアさんに毒針で刺されてしまった。
まあ、変態君に関してはもはや「またか」以外の感想がないため割愛するとして、一つ聞いてみた。
「イズモ君さん……どうしてこんな事したの?」
「……えっ?」
「えっ?」
「ゑ?」
「ゑ?」
分からないから聞いたのに何だこの反応は……
「え? ですから、夜に騒ぐのは良くないですよ?」
「まあ……確かに?」
「……だな……イズモの言う通りだ」
「…………うわぁぁぁぁぁぁ、あんまりだァァァァァ!」
同意した僕達2人だが、毒針に刺されていた変態君は明らかに痛み以外の理由で泣き出した。
「女の子と仲良くなりたいのにこんなのって無いよ……こんなのって絶対おかしいよ……!」
「…………枕投げ以外なら、騒がない事を理由に一応許可してもらいに行きますけど……?」
「うん!」
「あ、わかりました。じゃあちょっと……ディアさんの所に行ってきますから……くれぐれも騒がないでくださいね?」
「うん!」
「……絶対にですよ?」
「うん!」
「…………Are you ready?」
「うん!」
さっきから変態君が「うん!」しか言わないのは何か理由があるのだろうか?
「…………それじゃあ、あまり夜更かしはしないようにしてくださいね?」
それだけ言い残して、イズモ君さんはおそらく学園長の部屋に行った……
「みんな起きて! ぼくと体のしゃ」
(無言の毒針ミサイル)
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
変態君がまた恍惚とした表情なのだが、今の僕にはどういうことなのか理解出来ない。
「ハニー? イアリとちょーゆーごーしに来たんですの? 嬉しいですわ……」
「……いや、皆と遊ぶために」
「おい変態……私の布団に潜り込んで何をする気だ?」
「………………ナカニダレモイマセンヨ?」
哀れ……痛みとかに悶えるあまり、うっかりドラグさんの布団に入ってしまった変態君は酷いお仕置きを受けてしまった……
「それで、なにやる?」
つい五分前まで死にそうな目に遭っていたのに今ではピンピンとしている辺り、変態君は度を超えた変態か人間をやめた変態かのどっちかだと思う。
ちなみに参加者は僕と変態君に会長達いつもの3人にドラグさん達666号室面子、戻ってきたイズモ君さんとバカップルの片割れだ。
さっき起きてたイアリちゃんと変態君に起こされたアリスちゃんは僕の太ももの部分を占領して眠っていた。
「……ジョーカー2枚いれても54枚で割ること10人だから、一人当たり5枚ないし6枚って、明らかに参加人数が多すぎるよね?」
「ボクは6枚だよ〜?」
「戦略を練る頭脳は今だけポイしちゃってもいいよね☆」(手札4枚を伏せてギンに手渡しながら)
「普通にやれ!」(4枚のトランプを投げ返しながら)
……プラスチックトランプで良かったよ本当に……理由? ……なんでだろうね?
「ハァハァ……スライムちゃん、ぼくの口と鼻を塞いでくれないかい? ハァハァ……」
「真理ちゃん、この人の背中に氷を投下しちゃっていいよ。はい氷」
「わかった〜」
どこから取り出したのか、もしくは創り出したのか分からない氷を真理ちゃんに渡すイズモ君さんと笑顔で受け取る真理ちゃん……この兄妹はこういう時だけは本当に仲がいいね。
「ヒギィィャァァァァ!」
「うるさいから黙れ☆」
……もう初っ端から不安なんだけど……
主に変態君のせいで……
「……そして2……おいおい……これじゃぼく」
末期的な厨二病のように振る舞う(もしくは死亡フラグを立てる)変態君……まあ、現実は非情だった。
「ジョーカー2革命してA☆」
「Noooooo!」
アメコミ風に驚愕しているところ悪いのだが、フラグを立て方が悪かっただろう。似たような事を言った人がメインキャラ相手にワンキルかましたのだから……
「じゃあボクのターンだね? 8切りしてシーケンス、2・A・K・Q」
「やめろぉ……やめてくれぇ……」
「じゃあ〜A・K・Q・J・10のシーケンスかなぁ?」
「……う、うわぁぁぁぁ!」
もうやめて!変態君のライフはゼロよ!
「……大貧民のぼくから開始すると……これをこうして……はいまずこれして」
「8切りして革命してわぁいコンボ〜!」
「ぴぎゃぁぁぁぁぁ!」
笑顔で人のコンボを否定する、白い悪魔がいた。
15分後……
「…………こんなんじゃ……満足……出来なかったよ……」
今にも消滅してしまいそうな表情の変態君の屍が布団の上という戦場に残っていた……
「変態よ、これが難易度魔界級のゲームだ!」
総合的に黒星の多かった会長が言うのはちょっとどうかと思ったが、更に負け越していた僕がいうのもどうかと思ったから何も言わないことにした。
「魔界級……さらなる高み……! やってやるよ! ぼくを満足させて頂戴な!」
また一人魔界に入ってくる気がしたけど、そっとしておこう。ツッコむのも面倒だし……




