人は学を修められるか?その4
変態君とアダカさんが一時メインに加わります。
「……んっ……脚触りすぎ……」
「良いではないか良いではないか〜!」
「あっ……そこは……っ!」
「アダカさんちゅっちゅっ〜!」
…………この2人は修学旅行ではるばる大阪道頓堀まできて何をやっているのだろうか……
色々あって(僕がやったのではないとはいえ、流石に睡眠薬とロープの犯罪コンボを止めなかったのは叱られて当然だっただろう)マコトさんに頼まれて、留学しているスキュレーの子とその親友を迎えにいって欲しいと言われてミラさんと一緒に待ち合わせ場所の道頓堀のグリコ看板の前まで来たのは良かった。
ついでに、夕方まで観光の許可を貰えたのも普通に良かった……実は道頓堀で色々食べて回りたかったのだ。
……だがしかしまるで全然それらを含めても、正直マイナスな……公衆の面前でも自重しないバカップル迎えにいくという時点で、罰として十分に機能していた。
……というか、本当にあの2人を迎えに行かなきゃダメかな? とりあえず川で頭を冷やしてもらってからつれて帰りたいんだけど……
「ねぇアダカさん、君の触手でぼくの」
「おバカ!」
とりあえず制服のズボンを脱ごうとした(何度でも言うが、公衆の面前である)バカがいたので、居ても立ってもいられずに無言でチョップしてから叱っておいた。
「……え? ……魅宕!?」
チョップしたらバカが壊れた。
……いや、僕じゃなくてミラさんを見て瑠璃って……?
「……何ですの? この貪食系小動物オーラの滲み出る色々と残念な少年は?」
「魅宕!? どうしてここに! 魅宕!」
「あ、私の……彼氏、です」
「魅宕! なんで! 僕の事が分からないの!?」
「もう一回やってもいいかな? ……今度は優しくするから」
「一回だけなら……」
とりあえず、うるさかったので追加で今度は腹パンを入れてみた。
「彼女は魅宕ではない」
「直りましたの?」
多分頭の方が手遅れだから……直ってないと思う。
「へー、遊斗さんはアダカさんとは逆に魔界の学校に留学したんだー」
変態ことユウ君がたこ焼きとお好み焼きを両手に持ち、ユウ的な……もとい、変態的なたこ焼きの食べ方をしながら言った。
変態的な食べ方を具体的に言うと、飴かさくらんぼのようにたこ焼きを口の中でなめ回していた。行儀悪いと何度も言っているのだが、まるで聞く気配がないからとりあえず諦めた。
「……ところでユウ君、君は最初からアダカさんの事が好きだったの?」
純粋な好奇心を、マコトさんに頼まれたからという理由で自分の中で誤魔化しながら聞いてみた。
「まあねーぼくモン娘だぁいすきだし。ラミアもスライム娘も蜂娘も(略)や手のひらサイズの妖精なんかも……あ、だからといって虫や動物の雌にハァハァするような変態じゃないけどね」
変態という大きな一くくりの中にありながらも、自分は大した変態ではないという無駄なアピールだった。
「大した変態紳士ですのね……」
「ぼくはただの変態じゃなくて、変態という名の紳士だからねー。ところでラミアさん、ちょっとぼくをしめ」
「嫌ですの」
「ですよねーレロレロ」
「……やれやれだね、ホントに」
どうして変態をこんなになるまで放っておいたのかな? 今の僕にはどうしてこうなったのか理解出来ない。というかこんな変態について理解したくない。
イアリ「ハニーはどこ!? イアリはここですわ! ハニー! ハニーィィィ!」
ハニ子「なんという事だ……たった2日でイアリ様がこうなってしまわれては、少なくとも4日は会えないとなるとどうなってしまうのだ……!(チラッ)」
マコト「(暗に連れて行けと?)……分かりました。初日からというのは少し厳しいですが……遅くとも2日目の夕方に合流出来るようにします」




