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蛇娘は人を救えるか?

 ……目が覚めたら、目の前にはボロボロのミラさん、エキドナさんと焼き焦げた大蛇がいた……

「これ……は……?」

 おそらく誰かが僕の残したメッセージに気付いてくれたから、2人が助けに来てくれたのだろう。

「……大丈夫、ですの? ユート……」

 ボロボロのミラさんは、守り抜けたという風に、安心しきった顔で僕を磔から解きながら聞いてきた。

「まあ、僕は一応大丈夫、だと思うけど……」


「クハハハ、おめでたい頭だな、貴様……」


「っ!」

 息も絶え絶えの大蛇が、まるで死ぬ寸前の悪役そのものの感じで言った。

「その小僧の体には既に儂の毒が……バジリスクの毒が入っている……! あと5分といったところか……? 今更急いだところで最早間に合わん。精々短い人生を謳歌する事だ、フハ、ハハハハ……」

 それだけを言い残し、大蛇だったものは灰と化して消えていった……

「5分……ですの……?」

「…………っ、あいつ……! どうしてこんな…………私達のせいで……ユートが……!」

「……………………………………たす、けて……」

 無意識のうちに、僕は涙を流していた……

 死にたくない、その思っても……何もならない。どうしようもないのに……ただただ涙を流していた……

 空では星が煌めいていた……月も、小さな星も、同じように煌めいていた……

「……………………助けて……」

 どんな神でもどんな邪神でも、どんな天使でもどんな悪魔でも構わない。

 僕を助けてくれるのなら誰だって良い…………誰か……誰か僕を助けてくれ……

「……っ」

「ユート……?」

「ユートちゃん!」

 目の前が真っ黒にになってきた……

 ……嫌だ、まだ眠りたくない……せめてもう少しだけでも……

「ミラ……さ……ん……」

 その言葉を最後に、僕の目の前は闇に染まった……


「……ユート! ……ユート!!!!」

 動かないユートを抱え、ミラは叫んだ……

「…………ぁぁ……ぅわぁぁぁぁぁ……」

「…………ユートちゃんが……そんな……」

 ミラは涙を堪えきれずに大声で泣き出し、ミロンが涙を流したその直後……

「…………ミラ……さん……?」

 遊斗が目覚め、震える手でミラの頭を撫でていた……

「…………ユート?」

「はい、僕は……平気……で」

「ユート!!!」

「んぐぅ……」

 クッションの少ないミラの胸に押し付けられ、病み上がり(?)の遊斗はあまりうれしくない悲鳴をあげた。


「やれやれだね〜まったく〜」

「うんまあ……ホントにギリギリだったね……真理ちゃんが居なかったら本当に間に合わなかったからね……」

 ボク達は近くの茂みに潜み、ミラさんに抱きしめられる遊斗さんの方をこっそり見ながら呟いた……

「それにしても万能なお兄ちゃんでさえ手こずるなんて、どんな毒だったのかなぁ?」

「いや、ね……遠隔操作でさえなければ毒を書き換えてはいおしまいだったんだけど、遠隔でやるとなるとね……遊斗さんじゃなかったら完全に死んでたかも」

「……じゃあ、なんでユートなら大丈夫なのかなぁ?」

 含みを持たせた言い方に対して、真理が突っ込んた。

「まあ……それは」


「イズモ……」


「うわぁっ……び、ビックリした……いきなり後ろに出て来ないで下さいよ……」

「最初から居た……具体的にはミラがユートに抱きついた辺りから」

「…………本当に最初から居たんですね」

「……それで、ユートが大丈夫だったのはなんで?」

 ディアボロスが首を傾げながら、イズモに聞いた。

「…………それはですね……」


「ユート?」

「ぁ……ぼ、くは……かみ?」

「ユート! ユート! ユート!」

「もうやめてミラちゃん! もうユートちゃんのライフはゼロよ!」


年始……はどうなるかまだ分かりません。普通に本編になるのか、干支に因んだ話になるのかはまだ未定です。

来年はヒツジ?

……ヒツジの子ってまだいないような……

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